いつもの新鮮味の無いポイントばかりと思われるでしょうが、古間駅で写真を撮って野尻湖の長野電鉄バス•タクシーの営業所跡、ちょうど待合室があったあたりを改装したEN BAKERY 39で私にしては珍しくパンを買っていったん家に戻りました。
用事を済ませていたのであとは自由時間•••というわけで日本海側に出て米山あたりで信越本線の特急「しらゆき」を後追いで動画撮影しようかとパンを家に置いて再び出発しました。
向かったのは新潟県に入って旧北国街道から少し逸れたところにあるいつものポイント。
先ほどの古間駅付近も含めて信越国境のこの高原地帯もいよいよ田圃に水を引き入れてこれから農家の方々も忙しくなってくる季節•••お邪魔になりそうだったら諦めるつもりできたのですが、こちらは大丈夫でした。
長野県側の黒姫山を背景としてET127系2両編成がやってきました。黒姫山の左奥に小さく見える山は飯縄(いいづな)山です。
目前にやって来ると秀麗な妙高山が背景となります。この季節になると緑色のラッピングを施された車体が木立に溶け込んでしまっているかのような写真になりますね。
旧国鉄〜JR東日本信越本線の古き良き時代は特急「あさま」「白山」、急行「妙高」「とがくし」「赤倉」に乗車していて車窓に次々と現れる山の姿を楽しんだという経験をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。
車を走らせていてもそうなのですが、国道18号線を走っていて長野市の善光寺平から鳥居川に沿って飯綱町の山間部を抜けて信濃町に入ると周囲が開けて飯縄山、戸隠山、黒姫山、妙高山、斑尾山がそれぞれ独立峰として目を楽しませてくれます。
新潟県側のこの辺りでは戸隠や斑尾の姿は見えませんが、火打山や新潟県唯一の活火山である焼山の姿を車窓から探したという経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか•••。
撮影した列車は広告をラッピングした編成でしたが、えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインのオリジナルラッピングデザインは妙高山をモチーフとしたもの•••新潟県側に位置しながら長野県側の黒姫山•飯縄山•戸隠山•斑尾山とともに北信五岳に名を連ね、新潟県側の火打山•焼山とともに頚城三山にも数えられるこの山は越後富士とも称される信越国境の山の代表格なのかもしれません。
この辺りは日本海側の頚城平野から信越国境にかけての急勾配が続きます。冬は日本海を渡ってくる北西の季節風と雪雲がまともにぶつかる我が国有数の豪雪地帯です。それだけに晴れていれば早春から初夏にかけての風景は美しく、今年は例年より山の雪も消えるのが早いような気もしますが、足を向けたくなる季節なのです。
もう少し早い季節•••3月下旬から5月上旬くらいだと山の雪もまだ多く残っていて、乗車中の列車から西側の車窓にはとても美しい風景が展開します。
通り過ぎていった列車がカーブを通過して視界から消えていきます。視界から消えても車輪がレールの継ぎ目を通る時のジョイント音が暫しのあいだ残り、その音が小さくなる頃に必ずといっていいほど聞こえてくる警笛の音が旅情を誘います。





