このシリーズ…もう少し続きますからお付き合いください。
東中野付近を通過して直線区間に入って速度を上げた「あずさ17号」。
この列車は本数が多い中央本線の特急「あずさ」「かいじ」の中でも最も停車駅が少ない(新宿~松本間の途中停車駅は八王子・甲府・茅野のみ)速達列車で、他の「あずさ」「かいじ」より所要時間も少ない列車です。
中央本線は御茶ノ水~新宿~三鷹間が総武本線と直通する各駅停車が通る緩行線との復々線となっているのですが、東京駅からの快速電車は中野駅から先は各駅停車(その先の高円寺・阿佐ヶ谷・西荻窪は土休日は通過)となり、特別快速は中野から先は三鷹・国分寺に停車して立川から先は各駅停車。
つまり、新宿を出てそれほど遠くない中野から先は先行している快速電車が行く手を阻んでいるかのように特急列車の速度は抑えられています。
こちらは三河島駅を通過して速度を上げながら直線区間に入る「ひたち5号」です。
最初に斜めに交差する道路は明治通りです。
明治通りは都心部を囲むように半環状で通る道路ですが、東側のこのあたりは西側の渋谷や新宿、池袋あたりとはかなり雰囲気が異なります。
そしてすぐに直角に交差するのが国道4号線(日光街道)です。
この日光街道を跨ぐと東へ向かっていた線路は北へ向かって急な左カーブとなります。そのため列車はここで一旦減速します。
三河島から南千住の間では動画でもお分かりかと思いますが、寺院や墓地が目立ちます。これは江戸時代に小塚原の刑場があった関係かと思われます。
三河島から合流してきた東北・高崎線方面からの貨物線はこのカーブのところで右へ分岐して隅田川貨物駅に入っていきます。
常磐線は特急列車以外の列車は上野~取手間はすべて快速運転です。
上野を出ると日暮里・三河島・南千住・北千住・松戸・柏・我孫子・天王台・取手に停車、データイムに運転される土浦行の特別快速は日暮里・北千住・松戸・柏・取手に停車します。
復々線となる北千住~取手間では通過駅が多く、快速電車でもかなりの速度で飛ばすため、中央本線の「あずさ」とは対照的に急カーブが多い上野~南千住間を過ぎると特急列車は速度をグングン上げていきます。
もし、中央本線が高尾まですべて復々線化されていて、快速電車の停車駅が現在の特別快速停車駅である中野・三鷹・国分寺・立川・日野・豊田・八王子・西八王子に絞られていたら新宿~高尾間の通過に係る時分はもっと短縮できていたことでしょう。
新宿を出発して3分ほど…快速電車や特別快速電車が初めて停まる中野駅を通過します。中央本線の特急「あずさ「かいじ」」で活躍するE353系の回送列車が7番線に停車中です。
新宿駅で山手貨物線を転用した湘南新宿ラインと埼京線用のホームを新設する大規模な工事が行われていた頃、中央本線の特急列車は新宿~中野間をすべて運休として、普段は停まらない中野駅を始終着駅として運転される日がたびたびありました。
工事が完成して久しい現在では見られませんが、新宿~中野間のどこかで運休を要する大規模な工事が行われるときにはそのような光景がまた見られることもあるかもしれません。
こちらは南千住駅を通過中の「ひたち5号」が駅を通過後に速度を再び上げるシーンからです。
隅田川を渡って荒川区から足立区に入ります。
隅田川を渡ってすぐに車窓を過ぎるのが東京都の足立市場です。
そして上野駅を出てから三度めの京成電鉄との交差です。以後は京成電鉄とは離れていくので出会うことはありません。
中央本線は中野駅を通過して少しの間は地上を走りますが、やがて高架線へと入ります。
同じ23区内でも昔から学生の街が多い中央本線と下町を通る常磐線とでは雰囲気もかなり違う気がします。とはいえ、都心からそれほど遠く離れていない中央本線の中野駅や常磐線の北千住駅を下車すると昔からあるお店も多く、人気のある飲食店が多いなどの共通点も見いだせます。
こちらは北千住駅を通過する「ひたち5号」。
北千住駅を通過すると常磐線の各駅停車となる常磐緩行線へ繋がる東京メトロ千代田線が北千住駅の地下ホームから地上に出てきて並行します。荒川放水路を渡ります。
この荒川放水路を渡る区間は上流側から東京メトロ千代田線・JR東日本常磐線・首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスが並行し、わずかに離れて東武鉄道スカイツリーラインの鉄橋が並んでいる壮観なところです。
荒川放水路を渡ると再び東へ向いてカーブして首都高速中央環状線をくぐって東武鉄道スカイツリーラインをアンダークロスします。
次回へ続きます。