長崎県佐世保市を歩く8
放浪日2019年8月16日
長崎県佐世保市は、県北部の中心都市で
長崎県では2番目、九州全体では9番目に多い人口が暮らしている都市です
明治時代に鎮守府や海軍工廠が設置され、軍港及び造船で発展しました
現代でも海上自衛隊が所在しており、海上防衛の重要な拠点となっている都市です
そんな佐世保市民が約100年間自慢としている
【旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館】を歩いて観ています
2012年の【旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館】の姿です
2014年から耐震補強を主目的とした改修工事が行われました
現在の姿の方がカッコいいですよね
館内では“近代都市佐世保”の歴史が語られていました
この建物にそっと耳をすませて、聞いて観ましょう♪
外国からいかに国を守るか!をスローガンに
島国日本が海防を選ぶのは必然な事だったのでしょう
小さな漁村だった佐世保が鎮守府に変わっていく姿を観て
『えっっつ!なんでここに?』と言う疑問が飛び交っていたのでしょうね
山を全部削っている!!
『おらの山をどうするだ!!』と言う反対意見もあったのでしょう
『なんだよ!いきなり!村の水が無くなったじゃないかい!』
『ところでよ、最近、村人がよく病気になるんだが、なんでだ?』
と言う嘆きもあったのでしょう
『なんだ、どデカい船造りよるな~おらの船の横を通ったら、ひっくり返るじゃないかい!』
『でも、なんだ?最近、村が景気よくなってきているらしいぞ~』
『最近よく頼まれるからさ、土やコンクリート運んだりして、働いているんだ』
『この仕事の方が、稼げるんだ~船?最近乗ってないわ~』
『お城でも造ってんのかな?』
『海より低く造ったら、沈んじまうべ~』
『なんだ?ありゃ~?大きな鉄がクルクル回ってるべ!』
『そんで、大きな鉄が空を飛んでるべ!』
『最近、頭かしこそうな連中が増えたな~』
『じゃが、わしらの給料も良いし、飲み屋も映画館も増えたし、毎日楽しいわ~』
『倉庫の数も増えたが、わしらは何が収まっているのかは、知らん』
『お米や味噌や野菜とか、わしらの食糧がたっぷり蓄えられているんだろうな~助かるわ!』
『そうそう!この前、初めて鉄道を見たわ!』
『これに乗ったら、座っているだけで東京まで着くらしいで!便利な世の中になったな~』
『なんか最近、外国と戦争が始まったみたいだわ。。』
『兵隊さんが外国で頑張って、勝っているみたいや!』
『万歳三唱が良く聞こえて、そのたびに町がお祭り騒ぎで、楽しいわ~』
そんな声が聞こえてきました
彼は、第2次世界大戦を迎える直前に、佐世保で幸せにこの世を去りました
『ひょぇ~カッケーな~やっぱ飛行機は船より速いし!』
『父ちゃんも、南方で飛行機乗ってカッコよく戦っているんだろうな~』
彼の息子の長男は飛び交う飛行機を観るのが好きでした
空襲警報が鳴っても、アメリカの飛行機を観るために最後まで防空壕に入らなかった少年でした
あの、火の雨が降った日も、この少年は防空壕には入りませんでした
空襲が終わった後に、この少年を見た人はいませんでした
『えっつ!戦争、終わったん?』
『じゃぁ、父ちゃんも帰って来るよね!やったーー』
まだ、幼い次男坊を守ることができた母は安堵の終戦でした
『兄ちゃんも、そろそろ帰って来るよね!!』
と言う次男坊の身体は痩せこけていました
『これから、どうするかね~』と母が言うと
『父ちゃんと兄ちゃんと遊ぶ!!』と言う次男坊
母は残った飛び散った建材で、小さな囲いを造ることが精一杯でした
『母ちゃんね、鎮守府凱旋記念館で働いて来るね』
『夜はいないけど、ひとりで寝るんだよ』
と言う母に次男坊は
『うん!僕一人で寝る!』
『でも、父ちゃんか兄ちゃんが帰ってきたら、起こしてね!』
『はい、分かったよ。。。行ってきます』
あもんが【旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館】に聞いた物語でした
ということで、続きます