Netflixで「極悪女王」(全5話)を見た。

女子プロレスラーのダンプ松本の物語であるが、当時の状況が分かって面白い。

 

ちょと驚いたのはダンプ松本が私と同じ年齢であったことで、彼女が活躍したのが思ったより昔の事だったのだなとの、感慨がある。

 

特に女子プロファンだった訳ではないが、それでもクラッシュギャルズやダンプ松本の名前は知っているので、一般人にも割と有名だったと思う。

 

私の年代で、最初の有名女子プロレスラーはマッハ文朱である。

彼女は、人気TV番組の「スター誕生」に出場したことでも割と知られており、プロレスラーとしては異色だった。

私のイメージでは、身体の大きい女優という感じで、プロレスラーのイメージはない。レスラーとしての活動期間も2年8ヶ月と短かったようである。

 

次のスターはビューティ・ペアであろう。私は、彼女らをヒット曲「かけめぐる青春」で知った。

私が高校生の時で、彼女らをビューティと呼ぶのはいかがなものか、と言う同級生もいた(失礼!)。

彼女らが活躍したのは20歳くらいの時で、今思うと早熟だったのだなと思う。

 

次のスターレスラーがクラッシュギャルズで、「極悪女王」の舞台である。

この時、私は大学生、大学院生の頃で、テレビがないため、余り活躍は知らない。

帰省したときの実家のテレビで見た覚えがある。長与千種はすごい人気で、登場時にファンが触りに来るので、「触らないで」と言いながら進んでいくのが印象に残った。

 

ダンプ松本はメイクして現れ、凶器攻撃で相手を痛めつけるスタイルであったが、テレビがなかったので試合内容は印象がない。

 

ドラマの方は、試合シーンが結構多いが、人物名や主要試合(総当たり戦や髪切りマッチ)は実際あった内容をなぞっているようなので、割と忠実に再現しているのであろう。

唐田(長与千種)や剛力(ライオネス飛鳥)は線が細くプロレスラーという感じはしないが、かなりトレーニングしたものと思え、受け身や身体の動きは中々良かった。

場外乱闘シーンは、カメラワークも実況型で、テレビ中継を見ているような臨場感がある。

 

ドラマ中の試合の一番の見所は、ダンプと長与の髪切りマッチで、大流血となり、掟破りのヒール勝利となるところだろう。

 

ベビーフェイス対ヒールの構図は分かりやすいが、実物の長与もダンプも家族の問題を抱えた境遇で、また同期で苦労した仲間であり、心境的にも複雑なところがあったのだろうと思う。

 

当時、素顔のダンプ松本の写真も見たことがあるが、優しそうな目つきをしており、なんだ、本当は大人しい人なんだろうと思った覚えがある。

 

ドラマでの発見としては、プロレスの試合にはブック(勝敗を決めておく)とそうでないのがあるということである。私は、全て決めておくのかと思っていたが、ガチンコでやるのもあったようである。

その場合、何となく流れで勝敗は決まるのであろうが、気心知れた同士なので阿吽の呼吸があるのであろう。

言い換えれば、プロレスは共同作業によって作るドラマ作品なのであろう。

 

ベビーフェイス対ヒールというのは、昔の男子プロレスでもよく見られ、外国レスラーがヒール役をやるのが定番になっていた。よく、パンツの中に栓抜きを隠してチョーク攻撃を行い、流血となる。

その内、技で勝負するスタイルが主流になり、技のオリジナリティや切れを競うようになり、それがタイガーマスクらの空中戦のように進化したと言える。

 

また、試合中の流血であるが、私はずっと血糊を使っているものと思っていた。

ところがネットで調べると、頭や額の皮膚を予め傷つけて出血しやすくしておくとのことで、本物の出血の方が多いようである。

ばい菌が入ったら大変だし、毎回毎回やっていたら傷が治らないのではなかろうか。余計な心配ではあるのだが。

 

 

とまあ、プロレスのことを思い出しながら、ドラマの紹介をしました。

プロレスファンでなくても、結構楽しめると思います。