あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。


12月はお休みしてしまいまして、お久しぶりです。


新年早々、家庭内のゴタゴタなど披露することとなりますが、お付き合いください。


ご紹介する映画は「ピグマリオン」1938年のイギリス映画です。


ただいまAmazonプライムビデオでご覧いただけます。


映画については後ほど…


11月の半ば、母が吐血して救急搬送されました。母は私を出産してからずっと、病弱でしたが、年追うごとに病気とは縁遠くなり、本人も意外なようですが既に長生きと言える年齢に達しております。


今回の吐血は突然でしたが、実は私の出産時に始まった病気が元でした。当時は病気が解明されていなかったので、肝炎であることしかわからなかったようですが、C型ウイルス肝炎でした。そして、病気も解明されていなかったのですから、この肝炎を完治させることはなく、何十年も経ってしまったわけです。そして、肝硬変になっていました。今回の吐血は肝硬変による食道の静脈瘤が破れたことにありました。

バケツいっぱいほどの吐血なんて恐ろしいフレーズを耳にしたことがあるって人もいるかも知れませんが、胃にできた静脈瘤が破れると、そんな表現の吐血が起きるそうです。母も相当量の吐血があったようですが、食道だったので、命に関わることなく、処置できました。


今後は静脈瘤の治療と肝炎の治療をして行くことになりました。

この、C型肝炎の治療薬は高額なので、助成金を受けることができるんです。

早速申し込むこととなりました。

病院、区役所、保健相談所と区内を歩き回ることとなりました。


私、年を取ってからは自転車に乗るのが怖くて、利用するのはバスと自分の足のみ。都内は自転車も乗りにくいんですよ。車も人間も避けて乗るのは大変。駐輪する場所も探さないといけないし。


大変でした。何キロ歩いたんだろ。バスを待つ間に歩いた方が早いっていうことも少なくありませんでしたから。実家は私の住む地域から2時間ほどかかるので滞在時間も限られていて、悠長にはしていられないんです。


11月中頃は私自身の胆嚢の摘出手術と重なったので、母の入院中の(ほぼ寝たきりの)父のお世話は弟夫婦がしてくれました。弟の奥さんは2週間も仕事を休んでくれました。ありがたかったです。


ですが、2週間も休んだら、これ以上はもう無理ってなりますよね。そこから先は私が実家に通うことになりました。まぁ毎日は行きませんが。

何しろうちから実家までは片道2時間です(二度目)


時を同じくして息子が転職したので、家をまるっきり空けることもできず、泊まりはなしで、週に3回ほど通いました。


忙しかったです。普段はなかなか寝付けないし、夜中に目覚めて朝まで眠れない、なんてこともあったのですが、寝つきも良くなって、夜更かしも出来なくなりました。


それでも、家事の合間や家事をしながら、録画したBS、CS放送、アマプラで映画や海外ドラマを観ていました。


一度「ペットセメタリー」(2019)を観たら悪夢を見てしまって、かなり落ち込みました。疲れている時に子どもが死ぬ映画は観ちゃだめです。


悪夢に繋がらない映画を選んでいたら、アマプラで1930年代1940年代の映画を観ることに行き当たったのです。「幽霊と未亡人」「ブルー・ガーディニア」「邂逅」「スミス都へ行く」「毒薬と老嬢」「奥様は魔女」「クリスマス・キャロル」「素晴らしき哉、人生!」その他いっぱい観ました。


それで、この「ピグマリオン」(1938) 観たのは昨日の大晦日です。


これを大晦日に観たのにもわけがありまして。面倒でも読んでいただきたいです。


大晦日は我が家では夫が毎年「笑ってはいけない」シリーズを観ることにしています。夫との結婚生活の大半は紅白は観ていません。別に特別に楽しみにしていたわけでもないですが、何しろ人と話が合わない。年越しのタイミングがわからない。そんな些細なデメリットもありました。まぁ、瑣末なことです。気にしていませんでした。「笑ってはいけない」も面白いですしね。


そして昨年の大晦日、昨年と言っても昨夜のことですが。「笑ってはいけない」放送休止となったんですよね。

観るものがなくなってしまった夫、紅白とテレ東の「にっぽんの歌」をあっち観たりこっち観たりでチャンネルを変え続けていたんです。


これには流石に気分が悪くなりました。観ていると、突然チャンネルが変わり、また観ていると突然チャンネルが予告もなしに歌の途中でも変わるのです。なんだか頭にくるというよりも気持ちが悪くなってしまったのです。目が回るような酔うような気持ち悪さでした。


そこで、一人ワイヤレスホンをつけてiPadでアマプラを観ることにしました。家事もしつつです。食事の後片付けをして、換気扇のお掃除もしました。夫が換気扇の下でタバコを吸うのでなかなか掃除できなかったのです。しばらくしたら夫が寝てくれたのでやることができました。よかったです。


一人、iPad視聴を続けました。

夫は途中で寝てしまったのですが、またテレビを観始めて、夫が起きてチャンネル回される恐怖を味わいたくなかったのでテレビは映したまま観ずにいました。


そして小さな画面で視聴しました「ピグマリオン」面白かったです。



皆さまご存知「マイ・フェア・レディ」(1964)の原作戯曲の最初の映画化作品です。


昨年12月18日に亡くなられた神田沙也加さんも舞台で演じられていましたね。

才能溢れる若い方が亡くなられるのは惜しいことですし、ご家族やご友人の悲しみも深いことでしょう。ご冥福をお祈りします。


さて、映画「マイ・フェア・レディ」では主演はオードリー・ヘップバーンでした。イライザ役です。ミュージカル舞台としても有名ですが、原作者のジョージ・バーナード・ショーはミュージカルには否定的でしたから、ミュージカル舞台は死後に上映されたそうです。

そして、結末もバーナード・ショーヒギンズイライザのハッピーエンドは望んでいなかったそうで、映画もミュージカルも原作とは結末が違うそうです。


映画「ピグマリオン」を観る限り、ヒギンズイライザのハッピーエンドであって欲しいと思ってしまいます。


物語をざっと紹介します。

ロンドンでコックニー訛りを話す貧しい花売り娘のイライザ(ウェンディ・ヒラー)と話し方からその人の出身地などをピタリと言い当てる言語学者のヒギンズ(レスリー・ハワード)が出会い、イライザの話し方、立ち居振る舞いを正して上流社会のお嬢様に仕立てるというお話。


映画「キングスマン」でもサクセスストーリー映画の例えで「大逆転」「プリティウーマン」などと並んで挙げられるのが「マイ・フェア・レディ」


昔々の話ですが、東京ディズニーランドでアルバイトしていた時にフロリダのディズニー・ワールドから長期出張して来たアメリカ人とスペイン人の方達に英語を教えられたことがありました。その時に彼らから「the rain in Spain stays mainly in the pain」を練習するように言われたんですが、これ、「ピグマリオン」の中で発音の勉強の為にイライザが繰り返し言わされた言葉でした。

その時には分からなくて、少ししてから「マイ・フェア・レディ」のセリフなんだよと別の外国人から教えられて、複雑な気持ちがしたものでした。私はイライザのように必死に練習しなかったけど。それに教えてくれた人達イギリス人じゃないし。



「ピグマリオン」ヒギンズ教授を演じるレスリー・ハワードの息子は↑写真のロナルド・ハワード「シャーロック・ホームズ」(1954年テレビシリーズ)でホームズを演じています。お父さんによく似ていますよね。

レスリーは1893年生まれ。ロナルドは1918年生まれ。お二人とも故人です。


「ピグマリオン」関係者では存命の人はいないでしょうね。


最後に

ピグマリオンはギリシャ神話のピュグマリオーンからきています。ピュグマリオーンはキプロス島の王様で自らが彫刻したガラテアという理想の女性に恋してしまいます。彫刻に向かって話しかけたり食事を用意して人間になってほしいと願うピュグマリオーン。彼を哀れに思いアフロディーテガラテアに命を与えてピュグマリオーンと結婚するというお話です。


なるほどねー。いつの時代もどこの国でも神話でも、男の人は女の人に理想を求めて押し付けがちだわね。