毎日暑いです。寒さよりも暑い方がましな自分もさすがにしんどい。

オリンピックの熱戦も続いていますね。

皆々様、お疲れ様です。


さて、劇場に足を運ぼうかと思うと跳ね上がる東京の感染者数。ギョッびっくりとする数字。


調べたらどうしても観たい!という作品もなくて、またまたアマゾンプライムに頼りました。


イギリスでは2013年に放送されました。「Broadchurch」視聴率も高く、大変評判の良かった作品です。(リメイク版はこけたみたいです)


ブロードチャーチという海に近い街で起きた少年ダニーの殺害事件を追う刑事達。

閉鎖された空間の中、犯人はこの中にいるという確信めいたものを感じさせてくれるので、自ずと犯人探しをひたすら推理し続けて観てしまいました。


何本もクライムサスペンスを観ていると、犯人探しのコツを習得してしまいます。

まず、犯人らしくない人が犯人と相場は決まっています。裏を書いて怪しい人が犯人ってこともなくはないですけど。

そんな風にあれやこれや考えながら観るのも一興。

何も考えずにただドラマにハマるのもよろしいかと思います。


物語は11歳のダニー少年の死体が見つかって動き始めますが、その前に、ダニーの家族の朝から始まります。

母親のベス・ラティマー(ジョディ・ウィテカー)はやや寝坊した様子。長女を出産したのは15歳。えっ!と思ってしまいますが、この物語、子ども達が大人です。精神的に成熟しているかと言えばそうとも言えないと思いますけど、お国柄なのかもしれませんし、限られた地域なのかもしれません。日本人の感覚では驚かされます。


ジョディ・ウィテカー「ドクター・フー」13代目のドクターです。後述デヴィッド・テナントドクター繋がりです。

父親のマーク(アンドリュー・バカン)は配管工です。15歳の姉クロエ(シャーロット・ビューモント)と肩を組むのはベスの母、つまり祖母のリズ(スーザン・ブラウン)。ラティマー家の面々は姿を見せますがダニーはいません。話の感じからダニーはいつも誰よりも早く出かけているみたいです。もう出かけてしまったと家族は思っています。


面白いなと思ったのはマークが歩いていくシーン。ワンカットでブロードチャーチの住人達に次々とすれ違っていきます。


最初に会うのはミラー一家ダニーの友達のトム(アダム・ウィルソン)、父親のジョー(マシュー・グラヴェル)、母親のエリー(オリヴィア・コールマン)エリーダニーの事件を担当することになる刑事です。

知り合いではないようですが、スーザン(ポーリン・クラーク)とすれ違うマーク

牧師のポール(アーサー・ダーヴィル)

ローカル新聞社に勤務するオリー(ジョナサン・ベイリー)エリーの甥です。

オリーの上司のマギー(キャロリン・ピックルズ)

知り合いではない電気技師のスティーブ(ウィル・メラー)。霊媒体質で故人の声だけ聞くことができます(本人談)。

ホテルを経営しているベッカ(シモーヌ・マッコーリー)

マークと一緒に働くナイジェ(ジョー・シムズ)


朝、マークがすれ違った人々は以上です。犯人はこの中にいそうって私は思っちゃいました。いないかもしれませんけどね。


主人公はアレック・ハーディエリーの休暇中に赴任して来た警部補です。


演じるはデヴィッド・テナント。映画版では出番が少なくてがっかりでしたが、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」バーテミウス・クラウチJr.です。死喰い人(デスイーター)マッド-アイ・ムーディに化けてハリーを騙した人ですよ。ハンサムだなぁと思ってました。

「ツイン・ピークス」の(1990年当時の)カイル・マクラクランを彷彿とさせます。


そして「ドクター・フー」の10代目のドクターです。


本作品リメイクのアメリカ版「グレースポイント」でも同じ役で出演しています。前述、こけたみたいです。

ハーディが赴任したことにより出世を逃した刑事エリーを演じるオリヴィア・コールマンは映画「女王陛下のお気に入り」でアカデミー主演女優賞受賞したことでも有名です。ケネス・ブラナー版の「オリエント急行殺人事件」にも出演していました。


妻でもあり母でもあるエリーラティマー一家とは家族ぐるみのお付き合いです。人柄はいいし、刑事としてもどんどん成長を見せてくれます。


壁を作って打ち解けないハーディとのかけあいも楽しいです。

緊迫した中でクスッとさせてくれます。



エリーマークベスは、道を歩けば知り合いに話しかけられます。

大概のことは筒抜けで、隠し事の難しい小さな町。干渉も多くて大変そうですが、通常なら気にもならないのでしょう。

ところが殺人事件が起きたことにより干渉の仕方にも変化が生じてしまいます。

不安や恐怖は人々の心に悪意の種を撒くのかもしれませんね。

そして、こんなに人と人との距離が近いからこそ自分の中に秘めておくものって必要だと思うんです。でも、秘密って暴かれるためにあるようなものなんですよねー。


今までは平和で犯罪自体が少なかったブロードチャーチに激震が走ったわけですが、犯人を逮捕するためにも平凡な人々の秘密は暴かれていくことになりそうです。


カレン・ホワイト(ヴィッキー・マクルーア)は全国紙デイリー・ヘラルドの記者。事件を知りブロードチャーチにやって来ます。ハーディの過去を知る人物でもあります。

ジャック・マーシャル(デヴィッド・ブラッドリー)新聞を扱う雑貨店の店主。ダニーは新聞配達をしていました。だから早起きだったのね。


デヴィッド・ブラッドリーハリポタのMr.フィルチですね。とても意地悪なホグワーツの管理人さんです。Mrs.ノリスという猫ちゃんを連れていました。

今作のスーザン(朝、マークがすれ違った女性です)はヴィンスという犬を連れてますけど、偏屈な人は動物が相棒なんですね。

スーザンはトレーラー住まいで孤独な女性です。本人にも秘密があり、大きな秘密を知る人物でもあります。

スーザンの飼い犬のヴィンス。ツヤツヤでかわいい。



ラティマー家の皆さん。

ダニー(オスカー・マクナマラ)


WOWOW放送時とDVDには〜殺意の町〜とサブタイトルがついていましたが、元々街には殺意や悪意などはなくて、この殺人事件をきっかけに人々の過去が浮き彫りになっていって、そこから他人に対する悪意が生まれてしまうのです。一種の防御的なものだと思います。


人間なら誰しもが持つ甘えや油断。無自覚で身勝手な裏切り。そんなことが取り返しのつかない亀裂を生んでしまいます。

特別な殺意などではなく、ふとしたことで身に降りかかる不幸な出来事がなんとも苦しく切ないドラマだと思いました。

シーズン1をご紹介しましたが、この後3まであるようです。

3シーズン各全8話です。


アマゾンプライムではシーズン1が観られます。