不動産価値@夫 | 土地神話を笑う

不動産価値@夫

夫は、神戸市出身である。

そう。

阪神・淡路大震災の被災地だ。

幸いにして、主人は大学から東京人になっていた。そして当時は、仕事で海外赴任中だった。

幸いにして、ご家族も家も無事だった。

しかし、帰国して、焦土と瓦礫の街と化した故郷を目の当たりにした彼は、

「家に固執してもなんにもならない」

と、根無し草になってしまった。

こんな人も多いのだろうと思う。

思い出が一瞬の内に、跡形もなく消え去る。

その喪失感は、父を突然失った私の悲しみとも、また違うと思う。

目の前の風景そのものが、瓦礫の山か、焦土と化している様など、戦争体験の世代しか、おそらく思いを共有できないだろう。

だから、彼の家への執着がないのもやむをえないと思う。

尚の事、家は無事であっても、自身によって受けた心の傷が母上には大きく、自宅を売却して、神戸を離れた事も、大きな要因であったかもしれない。

・・・だったら、一生賃貸で大丈夫なように蓄えとけよ・・・と、思うのは、他のロジックなんだね(ーー;)。

家を失い、また皆で集える家を欲しいと願った人も、間違いなく多いと思う。

これはもう、その人の性格によるものだから、どちらが良いとも悪いとも云えない。

でも、復興は、元に戻りたいと云う、執念で立ち上がった人間の強さに他ならない。

守るべき家族があったから、住まう我が家を取り戻したかったに違いない。

愛する街だから、いつまでも瓦礫で汚されたままにしたくはないと願ったに違いない。

愛情があの街を(諸般不条理不具合はあれ)復興させたのは事実。

家族を持ったら、彼も認識が変わるだろうか・・・?