Cuntz Guitars 訪問記 1 馴れ初め | GGAGのブログ

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欧州製ハイエンドギター・ベースの国内輸入元ノイベラックスと直営店アムグリフブレットの公式ブログです。楽器の紹介、楽器工房訪問レポートなどを書いています。

「何か良いアコースティックギターはないですか?」と尋ねられるとき、私が一番に推薦するギターはドイツのCuntz Guitars(クンツ・ギターズ)です。代表者のAndreas Cuntz (アンドレアス・クンツ)氏と助手の現在2名でアコースティックギター専門に製作しています。

楽器業界に入って数年経ち、自社の取扱製品にアコースティックギターを加えるためにヨーロッパの小規模なギターショーを訪れて何人もの製作家に会い、実機も試してきました。
私自身がアコースティックギターから楽器を始めたのでこだわりや思い入れもありました。
個人的にもMartin, Gibson, Takamine, Yamaha, Morrisはもちろん、Rick Turner, Wechterなどを所有してきました。
アコースティック楽器としての倍音の豊かさ、各音域でのトーンのバランス、フラットピッキングでもフィンガーピッキングでも美しく聴こえる楽器自体のトーン、ストレスを感じない演奏性を追求できる工作精度、合理的な機能美を備えたデザインという観点で楽器を探して出会った物がCuntz Guitarsでした。
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Cuntz氏はバイオリンの設計やGibson Custom Shopなどの有名メーカーで学んだ経験を活かして、1997年に設立したブランドです。
ドイツの伝統的な国家資格である「共鳴胴を持つ現楽器のマイスター」としてアコースティックギターの真髄を研究し、独自の理念と卓越した技術で丁寧に作られるギターは世界的にも注目されていますが、長年シーズニングされた希少な木材を用いて製作されるCuntz Guitarの生産本数は年間を通してもわずかです。
先日、ニューアルバムが日本でも発売されたばかりのPetteri Sariola(ペッテリ・サリオラ)やMarting Harley(マーティン・ハーレー)、Agustin Amigo(アウグスティン・アミゴ)らの演奏でその音を聴くことができます。

私とCuntz氏との出会いは2006年の北ドイツOsnabrück(オスナブリュック)でのアコースティックギターショウでした。その古楽器を思わせるクラシカルなデザインと過剰な装飾を廃した洗練されたルックスに惹かれて、楽器を手にしました。すぐにその美しい音色と現代的な奏法をよく考えた高い演奏性に惚れ込みましたが、折しも円安ユーロ高で決して安くはない物なのでギターの前で長考したことを覚えています。(翌年に思い切ってフラッグシップモデルを購入しました。さらにユーロ高でした・・・。)
次回からしばらくは2012年にCuntz Guitars工房を訪れたときのことを中心に紹介していきます。