子供がもうすぐ生まれるので、最近姓名判断にはまってます。

初子なので、いままで何も調べていなかったのもあり、いろいろ調べていくとなかなか奥が深いです。

新字体と旧字体(旧字体は大きく分けて2つの流派)、同格、伏運やら家庭運、仕事運等いろいろあり、バランスをとるのに苦労していたのですが、ようやく妥協できそうな名前が見つかったと思ったら・・・

 

偶然、どの流派にも属さないようですけれども、不吉なことをいう流派を見つけてしまい、どうしたものかと悩んでいたのですが・・・

 

その流派がいうことには、他の画数との関係なく、名前の先頭文字(名頭とよんでいましたが)が3画、5画、9画だと家族縁が薄くなってしまうのだそうです。

極めつけは、死亡事故にあった人の名前の先頭文字の画数を調べると、1000人中97人(10%弱)が5画で、5画を名前の先頭文字に持っているだけで、陰陽バランスが全壊してしまうのだそうです。

 

これではさすがに怖くなってしまい、姓名分布の上位10000件の名前が載っているサイトを見つけて、名前の先頭が5画の名前のもともとの頻度を調べました。その結果・・・

 

結論を先に言わせてもらいますと、”正”で始まる名前が異様に多く(そのほかにも弘、功なども多かったですが、正はその後の漢字のバリエーションが非常に多いようで、ベスト10以下でもコンスタントに出てきていたのでしょう)、同一姓名件数が1位の1/10になる2600位までで数えたところ、姓名上位2000件のうち5画で始まる名前の多くがこの”正”で始まる名前で、それもあって5画の名前で始まる名前はゆうに姓名全体の10%を超えていました。

私も昭和を生きた人間でしたので、特にこの文字が名前に多いことに違和感はありませんが、名づけサイトでいろいろ名前を見ていたのもあって、少々意外でした。

この”正”の漢字は、近年では名前使用率が下がっていて、これだけの情報で見ると本当に名頭5画は本当にまずいのでは、と思ってしまいますね。

さらに、昭和に起きた誘拐事件の有名事件名に名頭に5画の名前が数件あるようですが、実名で名前になっている事件は非常に少ないですし、昭和のころは5画はまだそこそこ人気の名頭ですから、たかだか数件の事例でトータルの頻度を測るのはさすがに無理かと思います。

昭和のころの情報はほとんど残っておらず、若年者の実名に限るともなるとなおさらです。

サンプルの取りようがありませんので、5画の割合を全体から測る方法は思いつきません。

こういうたかだか数件の事例でも、事件に名前がついたりするとインパクトが大きいので不吉に思えてしまいます。

※いくつか探してみたところ、この流派が主張する24歳までの誘拐、未解決失踪55件(または56件、1件昭和生まれの被害者か判断不可のため)中5件と名頭5画は確かに少し多いですが、被害者の年代を見てみると、1949~1950年(※Wikiによると当時5歳で4月生まれとのことなので)、1959~1960年、1962~1963年、1974~1975年、1981~1982年で、それぞれの年のベスト30×2に出現する5画名頭の数は7、6、4、5、4、4、3、2、1、2(公表歳が満年齢だと年が不確定なため、前年とその年の中間(みなし頻度)として2年の平均を取ります)と平均すれば38÷(30×2×10)=0.0633・・・

5件中4件は名頭として人気の高かった頃であり、名前が公表されてかつニュースになっている事件が少なく、また、報道されているのはごく一部という話もありますので、5÷55[56]=0.0877・・・[0.0892・・・](との差は、事例母数が55[56]件程度では、55×(0.0877-0.0633)=1.4501・・・[56×(0.0892-0.0633)=1.4533・・・]件程度は普通に誤差としてあり得ると思いますので、印象ほどの頻度割合ではありません。

※[ ]内は平成と昭和の区別がつかない事例を昭和と数えた場合

 

誘拐で見つかる事例は55件だけでしたので、この程度の母数だと他の事故、事件のサンプルがあれば簡単にひっくり返ってしまいます。

なお、普通に未成年でカウントするとここでの5画の誘拐、未解決失踪事件の5画名頭の件数は4件、全件数は48[49]件になりますので、未成年で考えた場合、名頭頻度から予想される事件件数は

48×38÷(30×2×10)=3.04・・・[49×38÷(30×2×10)=3.1033]

となり、誤差は1未満まで縮まります。

5画の事故があった年だけでなく、毎年サンプルを取るとより正確になりますが、毎年ではかなり大変なので、最初に検挙された誘拐事件が昭和27年(1952年)ということですから、24歳までの被害者が対象ということで24を引いて、1928年から5年ごとにベスト30(男女)の60の名前のランキングから、5画が名頭に現れる頻度を予想します。ソロぞれの名前ランキングの5画名頭の件数を数えると次のようになります。

年       5画名頭件数

1928     4
1933     4
1938     7
1943     4
1948     3
1953     4
1958     5
1963     4
1968     4
1973     2
1978     2
1983     1
1988     3

昭和計 47

5年ごとに13回集計していますので、 5画名頭が出てくる頻度は

47÷(30×2×13)=0.0602・・・

ですから、55[56]回の事例が見つかっていますので、5画名頭が出てくる予測頻度は

55×0.0602・・・ =3.3141・・・[56×0.0602・・・=3.3743・・・]

となります。このままだと誤差は実際の5件に対して1.6858・・・とやや大きはなってしまいましたが、55件というサンプルの少なさを考えると、多少振れ幅が出てしまいます。

(参考までに、平成生まれ以降の名前が出ている児童誘拐事件、未解決行方不明者の7件で名頭5画の被害者はいまのところ33[34]件中1件だけでした。なお平成生まれか判断がつかない被害者が1名)

 

なお、こちらに未解決殺人事件の一覧があったので参考にさせていただいたところ、昭和生まれで名頭5画(旧字体)の24歳以下対象の被害者(子またはそれを持つ親)は121人(一件平成と見分けがつかない事例)中6人で、24歳以下対象(子供が24歳以下、または24歳以下がなくなった親)の被害者は97人中6人

予想値は、

120×0.0602・・・=10.5448・・・[121×0.0602・・・=10.6327・・・]

一方、実件数は誘拐・失踪の件数と足すと6+5=11件ですので、

誤差は四捨五入すればないレベルになります。

参考までに、旧字体のみ5画の名頭が1件ありましたので新字体で考えますと逆に実件数が推測値より少ないほうに振れます。

あくまで個人的にですが、新字体や旧字体にわざわざ変換した画数より、旧字で登録できる漢字もありますし、実際に住民基本台帳に記載した文字の画数のほうが一番影響が大きいと思っていますので(画数だけの診断では10%程度しか影響しないそうですが)、もし名頭の画数が本当に影響するのであれば、推測値より少ないほうではと考えます。

結論として、24歳以下という条件で見て、新字体で数えれば、多いどころか実際の名前頻度(予想値)より少ないほうにふれました。

旧字体で見ても誤差は0.5件未満です。

さすがに全部の事例を探すのは不可能ですが、議題にしている流派が主張するように5画が家族間で死亡による別れが特に多いというのは、これらのサンプルを見ればおかしいと言えますね。

上で紹介したサイトで実際に数えてみると、名前の先頭(名頭)が5画の割合は、同一姓名件数が1位の1/10になる上位2600位までの姓名でみて11.3%程度あり、10000位までの残り(上位2600位はのぞく)もほぼ10%(9.983%)、上位に行くほど名頭5画の割合は高くなる傾向にありました。

 

電話帳をもとにしているらしいので、比較的年配の男性が多いと思われますが、男性のほうが運転が乱暴な上、高齢ドライバー問題もあり高齢者は言わずもがな、現役世代でもいまのリストラ社会では年配の男性ほど仕事は選べず、ドライバー、工場、土木作業等危険な仕事をせざるを得ないので、名頭5画の人の割合はそりゃ増えるでしょうね。

そもそも高齢になればなるほどちょっとしたことで大事になってしまいますし。

 

女性でみると、5画で始まる名前の割合はこちらの名づけサイトでは(登録名のみではありますが)近年5%程度とかなり下がっているようですが、昭和の人気の名前のランキングによりますと、女性で人口のピークと思われる団塊世代、団塊ジュニア世代でみても、団塊世代の1947年で5画の”弘子”がベスト5、団塊ジュニア世代の1971でも”由美子”と”由美”とベスト6とベスト8に入っており(ちなみに1967年では1位と2位を独占)、トータルではむしろ女性のほうが5画の名前で始まる比率は高いのではないかとすら思えます。

 

男子の5画の名前で始まる名前がベスト10からみられなくなってきたのは1950年くらいで、こちらの名前サイトで、ベスト30まで出ている2014年以降を見てみますと、、名頭では男子は央、吏、令、叶、且、主等がベスト10以下でぽつぽつ出ることが多く(2017、2019年に5画でベスト10)、女子では叶、令、未がやはりベスト10以下でたまに出てくるくらいと、ややマイナーな画数に成り下がっているようです。

 

後述する”年齢死亡率曲線で見る近年の不慮の事故死の様相”(左のPDFをダウンロード)の中で述べられているように、70歳以降、さらに急激に80歳以降、不慮の死亡事故の年齢階級別の死亡率が急激に増えており、昭和の人気の名前のランキングベスト10から”正”の字が見られなくなってきたのが1940年手前、5画の名前がなかなか見られなくなったのは1950年手前くらいで、名頭5画が多かったこれより前の年代は現在80歳、70歳以降の年代と見事に一致します。

これでは5画で始まる名前は悪いと思わされても無理はないですね・・・

 

不慮の事故者の男女比や年齢は、”年齢死亡率曲線で見る近年の不慮の事故死の様相”(左のPDFをダウンロード)の記事を引用させていただくと

・交通事故は男女の死亡率 の比が著しく20代から50代での男女比は5倍近 くある

・転倒転落死でのスリップ等での同一平面での転倒 の割合が特に高齢者では高くなっている。スリッ プ等の年齢死亡率曲線は 60 代後半でやや上がり 80 歳以上で著しく高くなっている

・男性が死にやすい原因としては、男女の活動性の違いが上げられ・・・15歳から65歳の生産年 齢層で死亡率の男女比が3倍から3.5倍と大きく なっている。 しかしながら、80 代以降も男女比 は2倍前後あり、窒息などの社会的な活動性とあ まり関連しない死因でも高齢者の男女差は大きい。

・高齢者で年齢の増加と共に死亡率が急激に増加 して行く様子が見て取れる。

とあり、そこにのっているグラフを見ると70歳、さらに80歳くらいから急激に増えていく様子が見て取れます。

こう見ていくと、名前頭が5画の名前が主流の年代の方の不慮の事故が極端に多いのですから、9.7%の事故者が5画を持っていたとして何の不思議もありませんよね。

事故者の大半である成人高齢男性の、名頭が5画の人の全体に対するもともとの割合が10%以上(重複件数が1/10になる2600位以降の一割が1%程度減るだけなのでおそらく11%以上なのに、全体の9.7%が死亡事故にあっている人がいるから名頭が5画の人は大凶というのは無理があるでしょう・・・

しかももし、統計を取ったのがもっと前であったなら、5画名頭の割合はさらに増えると思われます。大正時代の人がまだ生きている頃であったとしたら、むしろ5画名頭を持った人の事故率は標準より少ないでしょう。

 

それにしても、同姓同名の人ってこんなにかぶってるんですね。

電話帳だけでも、1位だと2000人って。。。

キラキラネームを嫌う日本人ですから、同じような漢字を使うことが多いので仕方のないことなんでしょう。

そもそも普通の人は大半が凡人なわけですし、海外のようにアイデンティティーを求めるようなことも少ないのでしょう。