筋肉少女帯の奇跡-ファイル0013.jpg

というわけで、雨宮処凛さんの
「バンギャル・ア・ゴーゴー」
をやっと読み終えました。
文庫本で3巻と、結構長い小説です。

感想は、
「そうだったのか……!」
です。

1990年前後のバンドブーム、中でもヴィジュアル系の追っかけをする少女の生態がよくわかります。
しかし、ただそれだけの小説、というワケではなく、
「東京ダメ人間生活」
というか……
結局、何も考えずキャバクラ嬢へと流れてしまう女の子の生態も……一応わかります。

あれ?沢村は?吉岡は?

……と、伏線だと思った部分が何も消化されずに終わってしまったりしますが。
この辺は「純文学」的な小説です。



この本を読んだのは、大槻ケンヂがエッセイでこの本を紹介していたから。
大槻ケンヂは2巻の帯の紹介文も書いていまして、
「多くのロックミュージシャンが、できればなかったコトにしたかった裏側を書いちゃった」
と、恐怖しています。
(^-^;)



ストーリー的には、14歳の主人公の女の子がヴィジュアル系バンドにハマって、「追っかけ」をやるファンになり、18歳までの4年間、成長したりしなかったりする……
という青春ストーリーです。

……が、爽やかではありません!
かなり赤裸々に、
「ここまで書いちゃっていいの?」
という部分まで書かれています。
たぶん実話もかなり含まれているとは思いますが、雨宮処凛さん、すごいです。

話の展開にわりと脈絡がなく、唐突にいろんなコトが起こったりするのが、逆に実話っぽいですね。



私はちょっと、メンバーの「入り待ち」「出待ち」までするファンの気持ちはわからなかったのですが……
この小説を読んで、その気持ちが良くわかりました。

バンドにハマった彼女達にとっては生活のすべてがそのバンドのため……
近くに来ているとわかれば、全てを捨ててもなるべく近くにいたい。
近づくのがあたりまえ!
感情のままです。

「届かないモノを、ずっと追いかける……」
というファンタジーみたいな恋。
それをずっと求めてしまうのは、幸せでもあるけど少し不幸でもありますね。



とりあえず、あの頃バンドの追っかけをしていた女の子には、オススメ!

雨宮処凛さんの本には、他にもいろいろ面白そうな作品がたくさんあるので、読んでみようと思います。

へそ天!
ゆないキズトでした。



……唐突に出てきた「小渕聡」(尾崎豊)には笑った……
(^-^;)
コレも、実話なんだろうか?