(本の紹介)シャルル=ボードレール「パリの憂鬱」……50の光景

さて、ボードレール！
ボードレールといえば、詩集「悪の華」ですが、もう一つボードレールには詩集
「パリの憂鬱」
があります。

「パリの憂鬱」
はボードレールの死後、1869年に刊行されたものです。
50篇の散文詩で構成されています。
ボードレール以前にはほとんど「散文詩」というモノは存在しておらず、「散文詩」という形式を作り上げたのはボードレール、と言ってよいでしょう。



そしてこの50篇の散文詩の内容は、濃い……！
それぞれ一篇の詩が短編小説一篇に値するくらいの価値がある、と言っても過言ではないと思います。
19世紀中期のフランスのさまざまな50の光景を見せてくれます。

「群衆」、「雑踏」、「発展」、「孤独」、「倦怠」、「憂鬱」、「皮肉」、「死」、「やり場のない熱情」……

150年前も、現代と同じ悩みを人々は抱えて生きていた……
というコトが感じられました。



どうも私達は考え過ぎてしまう……
先の見えない未来のコトを考え過ぎて、憂鬱になったりする。
それはもう、ずっと前から繰り返された人間の悩みのようです。



とりあえず、「パリの憂鬱」！
名作です。
意外に「悪の華」より読みやすいです。ボードレール入門にどうぞ。



へそ天！
ゆないキズトでした！