栃木県足利市最大のけやきの木 樹齢450~500年

 

 

日本書紀の神代の巻では、植樹をした神々について書かれています。素戔鳴尊(すさのおのみこと)と、その子である3柱の神々達の話です。


それは高天原から降りて後のことです。我が子の治める国には舟があったほうがいいだろうと、素戔鳴尊が髭を抜いて放つと杉に、胸の毛は桧に、尻の毛は槙の木に、眉の毛は樟になったのです。そして、杉と樟は舟に、桧は宮に、また槙は現世の国民の寝棺によいと用途を決め、沢山の山の木の種子を皆で播こうと言うと、3柱の神々がどんどん種子を播いたのです。


3柱の神々とは、五十猛命(いたけるのみこと)、大屋津姫命(おおやつひめのみこと)、爪(木偏に爪)津姫命(つまつひめのみこと)です。


五十猛命は、高天原から降りる時に沢山の樹の種を持って降り、大八洲の中に播き増やしたので、全部が青山になったともいいます。大八洲とは、日本のことです。


案外大昔の日本は森が多くなく、植林により森を増やしたのでしょうか?それとも、元々沢山あったけれども、それを伐採して使うことが増えたので、植林も増えたということでしょうか。いずれにしても、神々が植林して増やしたものを、伐採だけして減らしていくことはならん、という教えで木を植林続けてきたのでしょう。なにしろ家を作るには木が必要ですし災害の多い日本では、家を建て直すことも多いですし、栄えるほどに木も必要になったでしょう。また鍛冶屋作業にも火は欠かせません。

 

 

いずれにしても、日本は縄文の昔からクリを植林してきたことがわかっており、神話から続く我が国の伝統であることが裏付けられています。


実家の墓参りに行くと山裾に墓地がありますので、山道に少し入ります。その先にも山道があり昔はその山道を抜けて反対側に行くのが普通でした。しかし今はそんな道を歩いていく人はいませんので、道がどんどん塞がっています。その道を見る度に母は昔は子供達が薪拾いをしたから山道はとてもきれいで屑(この場合小枝等)なんて落ちていなかった。今は山が荒れていると言います。そう言われてみると確かにお墓参りに行く度にその周辺が荒れていく感があります。昔は普通の道だった気がするのですが、最近は本当にお墓参りの人しか通らないのです。


森の重要性が見直されている今、森の管理をもっともっとみなおすべきではないかと思います。


東京には中心に皇居と明治神宮という鎮守の森があります。明治神宮は明治天皇崩御後、大正期に造営が始まった人口の森であり、造営が始まる前は代々木から新宿まで見渡せるような土地だったという写真が残っています。

 

そして、幕末明治初期の江戸城の写真や地図を見れば、江戸城に深い森はありません。昭和天皇がお若い頃は皇居内でゴルフもされています。しかし、今は深い森に覆われ鎮守の森となりました。それは昭和天皇が尊敬する明治天皇の為の鎮守の森が造られていくのを見て皇居も鎮守の森へと変貌させていったのではないかと思います。宮中三殿もある皇居はまさしく鎮守の森です。勤労奉仕で皇居の西側に入らせていただいた時、そこは想像以上の深い森が広がっており、東京のど真ん中にこれほど深い森があるのかと感嘆しました。そのおかげで、真夏の異様な暑さの時にもあそこだけスポっと涼しい風が起きる場所となっています。もし皇居に緑がなかったら、東京の夏はもっともっと酷いことになっているでしょう。またすぐそばに高層ビル群がある新宿や今また高層ビルが増えている渋谷に挟まれた明治神宮の森は、さらなる癒しの地となっていくでしょう。


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半蔵門から望む皇居の新緑



行幸啓をされると植樹をされる天皇や皇室の方々、民間でも同様なことがあります。考えてみたら私も小学校卒業時に町内の公園に桜の木の植樹をしたことがありました。物事はなんでも上から下に流れます。天皇がされることは民間でも行われるのです。


声高に叫ばなくても、神様に始まる植樹を引き継いできた御歴代の天皇の業績を、引き継がれていく天皇がいらっしゃる、そしてそれを見習う民間人が当たり前にいる我が国は本当に有難い国だと思います。

 

 

グーグルマップが出来た当時よく地球上を見ていたことがありますが、地球上から見る世界はいかに茶色く砂漠が広がっていることか。ところが日本は古来から木造建築や紙製品が多く使われてきているにもかかわらず、緑に覆われています。それは、古来から植樹を続けてきたからであり、また古代から治水が行われてきたからです。そしてその植樹や治水は海外にも広がっています。

 

 

その植樹により国そのものが変わっていくところがあります。以前アフガニスタンの砂漠に緑がよみがえったと話題になりましたが、そこには現地の人達で造り運営できるようにした用水路を、自ら江戸時代の治水技術を学んで一緒に造った日本人医師中村さんの姿がありました。

世界中の国が自立することこそが真の平和に繋がる

 

アフガニスタンは盗賊国と言われてきた国で、なにかあれば盗賊が登場するという危険な国だと読んだことがあります。なぜそのような国になってしまったのかといえば、そこに砂漠が広がり生きて行くのが困難な国であるという背景があるかと思います。ところが、もともとはアフガニスタンは豊かな穀倉地帯だったのが砂漠化してしまっていたのです。そこで元々農業国であるアフガニスタンに緑をよみがえらせるには水路が必要であると中村さんは考えたのです。全て人力に頼り、現地の人達で造りあげている水路の工事風景は、何年か前イギリス映画で見た海外支援で砂漠に川を造っている風景といかに違うことか。そこでは凄い重機が使われていましたから、完成後川の氾濫があった時それを治す重機がなければ復興が大変であることが想像できるのですが、人力で自分達で造ったものであれば復興の目途も自分達で立てられるのです。

 

 

 

 

インドにも自らの資産を投じて砂漠を緑に変貌させた日本人、グリーンファザーと呼ばれる杉山龍丸さんがいました。杉山さんは砂漠の中に水源を求め、ヒマラヤ山脈からの地下水がある可能性の高い国道沿いにオーストラリアの砂漠で元気に育っていたユーカリに目を付けて植えていきました。現在その国道は豊かな緑に覆われており、その向こうには田園が広がっています。さらに、その砂漠化の原因となったシュワリック・レンジと呼ばれる丘陵地帯の土砂の崩落を止めるためにここにも植林をしています。

 

 

ところがせっかく植樹をしてもその植樹したものをあっという間に無駄にしてしまう国もありますし、植樹し緑に変えたはげ山をそのはげ山にしたのは我が国の先人達であると言いがかりをつける国もあります。しかし、そのようなはげ山を造るようなことが我国の伝統にはないということは歴史が語ってくれているのです。

 

 

しかしそのような我が国でありながら、現在日本中を砂漠化させたり、災害を誘発するのではないかという事業が進んでいます。私が実家に帰る度に目にするのがメガソーラーの増加です。私の実家は山の多い栃木県ですが、例えばよく通る切通しの途中にあるメガソーラーのパネル群は、小さい山の切通しの斜面一面を覆っています。このような斜面をはげ山にしてしまえば地盤がゆるくなりますし、大雨や地震の後に崩れる可能性が高まるのになぜこんなところに造ったのだろうと一目で思うようなしろものです。しかも道路のすぐそばまで迫っており、その道路を通行中にもし地震が起きたら一瞬で車ごとつぶされそうな不気味さを見せています。そして、そういう気味の悪い黒いパネルが、ちょっと周辺をドライブする度に増えているのです。

 

不自然な設置に、疑問の声が上がらないことに違和感がありますし、またどこからも見える位置にそういう不自然なものが設置され、遠方からも見えていることの景観の悪化が周囲に住み人達に与える心理的影響も心配です。そして、これはなにもここだけのことではなく、日本全国に広がっていることから、日本の今後が心配になってきます。

 

経済産業省 資源エネルギー庁のHPを見ると、去年起きた自然災害の内、西日本豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震にともない、41件の太陽光発電設備における被災と事故が報告されているとあります。この中でも目を引くのが、土砂崩れです。土砂崩れの場合、パネルそのものの被災だけでなく周辺へ与える影響も見過ごせません。また、台風のさいには、強風によるパネル飛散被害が多いといいます。

 

 

「太陽光パネルで民家包囲」計画もOK?! 発電設備めぐるトラブル相次ぐ 「熱中症」で訴訟にも発展

産経WEST 2017.4.30 22:22更新

太陽光発電をめぐるトラブルが相次いでいる。発電パネルなどの機材設置を規制する法令がないことが主な要因で、業者が周辺住民の意向を無視して工事を強行しようとするケースもある。自治体などは、設置を規制する条例を整備するなど対応に追われる事態となっている。(原川真太郎)

あわや自宅が…

2月中旬、兵庫県多可町で行われた太陽光パネル建設に関する住民説明会。同町加美区鳥羽(とりま)の主婦、酒井洋子さん(56)は図面を見せられ、目を疑った。自宅のすぐ南と西にパネルが設置され、隣家は四方すべてがパネルに覆われることになっていた。

山間地の豊かな自然に魅力を感じ、約1年前に夫婦で移住した。だが、今年に入り、スギやヒノキが生い茂る自宅周辺の土地(約7千平方メートル)を購入していた兵庫県内の不動産業者が突然、自宅へやってきた。「パネルを設置して発電事業を行う。同意書に捺印(なついん)してほしい」と迫ってきたのだ。

業者側はすでに発電事業を行う会社や個人へ土地の転売も済ませていた。「特別な開発許可は必要なく、本来なら断りなしに設置できるが、善意で事前に説明している」と主張した。

町建設課によると、一帯は別荘地として開発された宅地だが、「太陽光パネルは建物ではないため規制する法令がなく、設置は自由」(担当者)という。

説明会で納得できなかった酒井さんは、発電事業を行う会社などを交えて説明会を再度開くよう業者に要望し、会社側にはパネルを設置しないよう求める手紙を送った。

すると会社側は近隣住民が事業に反対しているのを知らなかったことが判明した。会社側は「住民が反対しているのに事業はできない」と明言。「近々伐採を始める」と通告していた業者も4月下旬、町へ提出した伐採届を取り下げた。

「一歩間違えば自宅がパネルに包囲され、とても住める状態でなくなっていた」。酒井さんは憤る。

特別な許可は不要

太陽光発電は平成24年、発電した電気を一定料金で電力会社が買い取る国の「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の導入を機に拡大した。広い土地や日当たりのいい傾斜地がある郊外、山間部に大型太陽光パネル(メガソーラー)が次々に設置され、投資目的の参入も相次いだ。

パネルなどの発電設備は、建築基準法や都市計画法の対象外のため、土地さえ取得すれば設置に特別な許可は不要という。周辺住民と十分な協議もなく計画を進め、摩擦が生じるケースが頻発している。

自然エネルギーの普及に取り組むNPO法人「環境エネルギー政策研究所」(東京)の山下紀明主任研究員によると、メガソーラー開発に伴う住民トラブルは24~27年に全国で50件発生。兵庫県姫路市では27年、自宅の隣にパネルを設置された男性が「パネルの反射で熱中症になった」として、業者を相手取り損害賠償請求訴訟を起こし、現在も係争している。

条例で規制の動き

こうした状況を受け、行政も対策に乗り出した。メガソーラー建設計画をめぐり住民と業者が対立した大分県由布市では26年、指定地域で大規模な事業を行わないよう求める条例を施行。富士山を抱える静岡県富士宮市でも同様の条例が制定されている。

兵庫県でも今年7月から、事前に事業計画の届け出を義務付け、違反した場合は罰金を科す条例が施行される。今回問題が起きた多可町でも、条例による規制を検討しているという。

山下研究員は「開発には地域住民の理解と合意が大前提。国や自治体が土地利用のルールを整えることが不可欠だ」と指摘している。

 

 

3年前の台風で氾濫した鬼怒川により茨城県が大洪水に見舞われたその要因の一つに上げられていたのが山を削り設置されていたソーラーパネルです。ここの場合は、自然堤防となっていた山を削り取ってソーラーパネルを設置していたがためにここからの越水により水の氾濫が広まったということでした。

鬼怒川の氾濫、ソーラーパネル設置で丘が削り取られていた場所からも

鬼怒川氾濫、ソーラーパネル業者「河川事務所は何も心配ないとの話だった」

あのような災害が起きたにもかかわらず、上記のようなソーラーパネル設置によるトラブルが絶えないばかりかどう見ても危ない設置のメガソーラーパネル群が未だに増え続けており、そのために多くの樹木の伐採も進んでいます。私は大陽光を利用することには異論はありません。むしろ子供の頃からなぜ太陽光エネルギーの利用が進まないのか疑問であったぐらいです。しかし、現在の普及の速さと災害を誘発するような常識のない設置には異様なものを感じています。

 

日本は樹木を増やし続けてきた鎮守の杜の国で、そのために治水が行われてきた国でもあります。東日本大震災の教訓を生かし、鎮守の森の効果を伝えてきた宮脇教授を中心に鎮守の森のプロジェクトが進んでもいます。そこには長い間に育まれてきた治水文化がある日本ならではの知恵があるのだと思います。しかし、そうしたことを戦後教えて来なかったがために浅はかな事業が進んでしまっているのが現状だと思います。

命を守る鎮守の森

 

 

 

隅田川の土手には桜並木が続き、徳川吉宗が庶民が桜が楽しめるようにと解放したと伝わりますが、実はそれは建前で、人々が大勢来ることで整えた堤防の土を踏み固めるのが一番の目的だったといいます。

 

 

日本は古来から為政者が治水により国を豊かにしてきた国だからこそ今も自然が豊富にあるのです。そしてそうした伝統の根本には大御宝(おおみたから)である民のためを考えてきた天皇の大御心という伝統があります。

私達は「おおみたから」=宝物(^O^)/

「民のかまど」の詔は大冒険の始まり

 

 

私達はそのような我が国、日本の為にも、またその日本に生まれ育ちこれからを担う我が国の子供達の為にも、ただ今だけを見るのではなく将来、未来を見据えた事業を考えて行かなければならないのではないかと思います。そうしたとき、災害を誘発するようなソーラーパネルの設置の仕方などありえないはずなのです。

 

 

また近年問題になっているのが外国資本による土地買収問題です。この中には、安全上重要な土地のほか、水源地の森も多く含まれており、ここ数年ずっと問題となっていますが全然進展していません。以前富士山の麓はほぼ買い占められたなどという噂がありました。本当のところはわかりませんが、水は生命の源ですから外国資本に水源地の森を渡してしまうなどあってはならないと思いますが、こうしたことが言われるということは私達日本人の危機意識のなさの表れだと思います。

 

外国による土地買収問題は安全保障上の重要問題 衆議院本会議質疑

2019.2.15

中国資本による自衛隊基地周辺の土地買い占めが急激に進行・・・「見えない戦争」で安全保障上の危機高まる⇒水源地や自衛隊基地周辺を爆買い

2017.9.4

外国資本の土地買収問題 安倍晋三首相が対処明言「国家安全保障に関わる重要な問題」

2016.10.4

 

 

昭和天皇由来のみどりの日である本日には、鎮守の国の我が国の伝統から未来のあるべき姿を考えたいと思います。

 

私達の新しい御代、令和の時代のためにも。

 

 

我々国民がどうあるか?

 

令和の時代を言祝がれていた昭和天皇

もうすぐ昭和の日、昭和天皇をお偲び顕彰し天皇と皇室についての知識を深めましょう

皇室を支える国民の務

 

 

命を守る鎮守の森
縄文時代から植林してきました
ホットスポット日本の秘密
神様の毛は凄い♪
鎮守の森
神社の樹木

 

林業を舞台にした映画

 

 

実際に起きている問題をいち早く取り入れてきた007映画で水問題を扱った「慰めの報酬」