私が入ったばかりの頃、
このシェルターには7組の家族が住んでいました。


今は私を入れて4組だけです。
無事にtransitional housing(シェルター後の住居確保)を見つけて、
happy move out(ハッピームーブアウト:幸せな立ち退き)ができたのは二組。
できなかった家族は私が一番好きだった子供達3人のいる家庭でした。

 
この家族は、お母さんのS,長女J(7歳)、次男M(5歳)、次女R(4歳)の4人家族。
私は特に長女のJと次女のRとよく話していました。
二人とも私を慕ってくれ、また長女Jについては
毎日よく息子の面倒を見てくれていました。
まだ7歳だというのに、発言や行動が大人びているのは
やっぱり経験の違いからくるものなのでしょうか。


シェルターの子供達は2種類に分かれます。
驚くほどマチュアー(言動が大人である)であるか、
極端に子供であるかのどちらかです。


子供時代が悲惨だったから、
父親の悪い例を見て、自分の将来を見定めた。
そう言ったのは11歳の男の子です。


子供が大好きだから欲しいけど、
結婚は30過ぎるまではしない。
キャリアと自分の精神が確立していないと失敗するから。
これは7歳の女の子です。


シェルターの中で一番お姉さんにあたる17歳の女の子にいたっては、
母親が働いている平日は小さい弟、妹のベビーシッターをし、
土日は違法のアルバイトをしています。


彼女は根がとってもまじめで、違法なアルバイトをすることに
抵抗があると言っていました。
でも、彼女の通う高校はアルバイトを禁止しているため、
現金でもらえるバイトを探すほかないそうです。


話は戻りますが、7歳の女の子、Jの母親S。
話をしているとちょっとダメージを受けた感じはあるものの、
(口調がとても早口でせわしない、broken English:砕けた英語)
話してみると感じがよく、子供のしつけもきちんとしている印象でした。


これから子供達3人と、新しいボーイフレンドと
新居を見つけて仲良くしっかりやっていく
という話していたばかりだというのに、
彼女は急に姿を消してしまったんです。


彼女の部屋のものはそのまま、
子供達を連れ、施設から無断で抜け出しました。


後から彼女と仲の良かったシェルター仲間に聞くと、
彼女はボーイフレンドのところに一人で行ったそうです。
子供達を捨てて・・・。


何と言うことでしょう。
そして驚くべきことに、
こういうことは珍しいことではないそうです。


やはりここに来る人はダメージを受けた人が多いからなのでしょうか。
それとも彼女も母親からそういう仕打ちを受けたことがあるのでしょうか。


ここで生活していると、
悲しい現場をたくさん目撃しますし、
色々思うことがあります。


DVは連鎖する・・・。


この鎖を断ち切ることができることが、
DV被害を受けた母親としての役目なのかもしれません。