新作楽器に命が吹き込まれる感動~田久保さんによる試奏を聴く | 渡部宏・ヴァイオリン製作工房のブログ

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弦楽器本来の深い<木の音>に魅せられて40年。
熱い音楽への思いを込めた楽器を日々製作しています。
ご興味のある方はぜひお試しください。

新作楽器のプロの奏者による試奏。

この度この念願がかない、昨日は田久保友妃さんの本拠である京都・四条大宮の「ふらっとホーム」に伺いました。

重いダブルケースに2台の楽器を携えての訪問でした。

新作のほかもう一台は昨年のベートーヴェン・チクルスで「大公トリオ」に使用いただいた前作です。


ラウンジにはチクルスの常連のお客様も来られていて、一緒に試奏を拝聴しました。



話もそこそこに田久保さんの試奏がはじまりました。

2台の楽器を交互に持ち替えながら、名曲のパッセージが次々と奏されていきました。

すでにチューニングの音から楽器が良い状態にあることはわかっていましたが、演奏が進むにつれ、日常の工房生活では到底考えられない異次元の音空間に私は引き込まれていきました。


これが本当に自作の2台の楽器が発する音なのだろうか・・・。その驚きと感動は昨年の試奏を凌ぐものがありました。


1年ぶりの田久保さんとの再会に、昨年のチクルスで刻み込まれた「大公トリオ」の記憶をみずからに想起している2014年作。(写真左)


生まれて初めての本格的な音出しに全身を揺さぶられ、それをいわば原始体験として深い眠りから突然目覚めさせられた2015年作。(写真右)


田久保さんの演奏により、楽器たちそれぞれが自分の持てるすべてに命を吹き込まれ、その溢れる生の喜びが得も言われぬ美しい歌声となってラウンジを満たしていきました。
気がつくと、聴く者をつつむ空間がまるでそのビロード色の音のふくらみにすっかり染め上げられているかのようでした。

楽器はこのようにして演奏家に育てられていくのですね。

演奏後にもまた有意義なお話をたくさん伺うことが出来ました。

とりわけ、前年作のこの1年間の音の変化や成長に注目されていることや、新作のもつ音色に好印象をいだかれていることなど、語られるその言葉はどれも自分にはとてもうれしく感じられ、また今後の製作の励みにしていきたいと思います。


また今日はライブ公演などでお忙しい中にもかかわらず、昨日の試奏の感想を早速ご自分のブログに渡部宏さんの新作 として投稿していただいております。これほど製作者冥利に思われることはなく、感謝に堪えません。

皆さん方にもこの演奏者の生の声をぜひ聴いていただければと思い、リンクを貼らせていただきました。


最後になりますが、

年末の田久保さんの第7回チクルス(12/27)でもこの新作楽器を使用していただけることになりました。
興味や関心をお持ちの方は一度足をお運び下さい。

会場はいつものPiano Pub「ふらっとホーム」(京都四条大宮)で、開演は14:00です。


曲目はベートーヴェンのヴァイオリンソナタ 第7番ハ短調 作品30-2 

    ブラームスのヴァイオリンソナタ 第1番ト長調 作品78「雨の歌」

    それに伊賀美樹子さんの新曲

です。