雪組公演 FROZEN HOLIDAY | 続アメマのおとしもの

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2024年1月3日~2月11日 東京宝塚劇場・雪組公演

 

お芝居の方が佳作でなかなか楽しめました。さて、ショーの方はどうなんでしょうか?もう2月なのに、クリスマスや正月をテーマにして楽しめるのでしょうか?

 

2月9日11時公演、1階23列目で観劇。

●Winter Spectacular「FROZEN HOLIDAY-Snow Troupe 100th Anniversary-」 作・演出/野口幸作

 

100周年を迎える秘境のホテル“FROZEN HOTEL(フローズン・ホテル)”に、素敵な冬の休日を過ごそうと世界中から宿泊客が集まってくる。このホテルには100年に一度花を咲かせるという“雪の花”があり、その開花を見た恋人たちは、永遠に結ばれるという。スペクタキュラー・シリーズ第6弾は、クリスマス・イヴから、ニュー・イヤーにかけての沢山のときめきが詰まった「冬の休暇」をテーマに、ホテルでの楽しいひと時を描く、ラグジュアリーな雰囲気のレヴュー作品。

 

これまでの大劇場でのショー作品では結構面白い作品が多くあり、ややパターン化してきた感もありますが、まだアイデアはある感じで期待できる演出家ではあります。しかし一部の週刊誌報道ではいろいろ報じられて、まぁエエ作品を書く作家は癖があるわなと思いつつも、「うぇ~」って思いもあります(笑)。

今回は雪組100周年を記念して、冬のリゾートホテルを題材にしたとな。

 

◆FROZEN HOLIDAY-Prologue-

ホテルに宿泊する様々なお客様を迎える支配人の彩風咲奈。そこにクック・ボーイやガール、連獅子、神父、サンタクロースなどが登場し、賑やかなプロローグが展開。そして夢白あやともう早速運命的な出会いをします。いわゆるショーやレビューのプロローグというより、ミュージカル的な感じですね。でも主題歌も分かりやすいし、白が基調となった装置や衣装も豪華さを感じました。いろんなキャラクターがチーム毎に分かれてのプロローグも珍しいですね。

 

◆GETTING READY FOR WINTER-冬支度の手ほどき-

「冬の休暇」に合った料理をクック・ボーイの紀城ゆりや・華世京、ガールの音彩唯・華純沙那が若々しく可愛くロケットに発展。今の雪組の期待の若手たちですね。

そしてクリスマスソングをメドレーで、プロローグのいろんなキャラクターがまたもやパート別に歌います。ん?ずっとこのチーム毎の展開なんですかね?縣千のDJの「きよしこの夜」、諏訪さき野々花ひまりの連獅子たちの「もみの木」、神父の和希そらは「牧人ひつじを」、サンタクロースの朝美絢は「もろびとこぞりて」、最後は休暇を楽しむ彩風・夢白コンビで締めますが、もう支配人はOFFなんですね。

なんだかわちゃわちゃしてる間に終わってしまうので、落ち着きがないかな。

 

◆WINTER JAZZ-恋の手ほどき-

DJ縣がダンスバトルを開催し、冬のジャズメドレー。ここも前場面と感じようなチーム毎のメドレー展開で、同じようなパターンが続くのでやや退屈。

 

◆CHRISTMAS HOLIDAY

ホテル内の劇場での劇中劇で、サンタクロースの朝美がレビューの開幕を告げて、中詰が始まります。ここでまたもやクリスマスソングメドレー。テンポよく展開し耳馴染んだ曲がアレンジされて楽しい場面ですが、やはり2月ともなると時期外れですよね。ただ客席降りもあって、それを忘れさせました。私は後方でしたが通路側だったので、副組長の透真かずきが真横に来ましたし、少し離れたところには音彩や和希もいて、テンション上がりました。

一旦締めたあとは野口作品お馴染みのアイドル的な場面で、眞ノ宮るい、縣千、咲城けい、紀城ゆりや、華世京が超特急の「Winter Snow」を賑やかにカッコよく歌い踊ります。

 

◆NEW YEAR'S EVE

ホテル内の教会で、新年へのカウントダウン。神父の厳かな雰囲気から退団も絡めて、「蛍の光」をアレンジした曲での和希のサヨナラ場面。短い場面ではありましたが、ちゃんと餞別的な感じもあったし、かと言って湿っぽくなりすぎない和希らしさが感じられましたね。ホント、退団が惜しい。

 

◆NEW YEAR'S HOLIDAY

新年を迎えたホテルで、正月にちなんだ曲をネオ・ジャパネスク風にした二度目の中詰のような場面。ここは男役だけでなく、娘役もカッコよかったですね。彩風を筆頭に夢白、朝美、和希の並びが良くて、今年の後半には彩風も和希もいないんだなと思うと、楽しく観ながらも感傷的になってしまいました。

 

◆SNOW TROUPE 100TH ANNVERSARY

フランク・ワイルドホーン氏作曲の「SNOW FLOWER WILL BLOOM」を、雪の花が開花する様に合わせて歌い踊り、雪組100周年を祝います。なかなかいい曲で壮大で後半に向けての盛り上がりになります。三度目の中詰といっていいほどですね。

雪の花の中から登場するSNOW STAR(CORE)の苑利香輝が、歌う訳でなく踊るわけでもなく、ただ手を広げているだけなのに、かなり目を惹きます。しかも次の場面が始まってもしばらくそのままの体勢でいましたからね。

 

◆LET IT SNOW!

ヴォーン・モンローの「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」で、彩風・夢白・朝美から始まって、大勢のSNOW FLOWERが舞台奥の鏡も使いながら、舞台に寝てマスゲーム的な振付で楽しませてくれます。ここのフォーメーションが素晴らしく、この作品の中で私が一番感動した場面です。これはスゴイ。

 

◆FROZEN HOLIDAY-Finale-

またもや出ましたアイドルユニット場面で、今回は「超越雪祭男子」。朝美・和希を筆頭に若手に至るスタークラスが勢ぞろいし、T.M.Revolutionの「WHITE BREATH」。カッコよすぎますが、衣装がちょっと宝塚的で違和感が・・・。

そして大階段に登場した彩風が「ハウルの動く城」の「人生のメリーゴーランド」で、格調高い群舞を繰り広げます。緑の品のある燕尾服がカッコ良かったですし、次でサヨナラも匂わせて素敵でした。私がここまで彩風をカッコいいと思ったのは初めてかもしれません。

 

◆FROZEN HOLIDAY-Grand Parade-

期待の若手4人(紀城・華世・音彩・華純)のエトワールでパレードが始まり、やはり退団を数日後に控えた和希への拍手が大きくありました。夢白はまだ本公演ではトップ二作目ながらも、貫禄が増してきましたね。

そして終演後は貸切公演でしたので、彩風の舞台挨拶があり、楽しく幕となりました。

 

 

前半にやや不満はあったものの、全体的には楽しい作品だったと思います。ホテルを舞台にしたのも目新しく、冬をテーマにするとどうしても時期外れになってしまう曲も多かったですが、耳馴染んだ曲で楽しさが増しました。アレンジの仕方も良かったですしね。

彩風は退団作が「ベルサイユのばら」なので、ショー作品はこれがラスト。いい作品に当たって良かったです。