令和6年6月歌舞伎座昼の部 妹背山婦女庭訓 三笠山御殿 | 癸の歌舞伎ブログ

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令和66月歌舞伎座昼の部 妹背山婦女庭訓 三笠山御殿

 

妹背山婦女庭訓 三笠山御殿 イモセヤマオンナテイキン ミカサヤマゴテン

 

明和八年一月二十八日大坂竹本座初演。近松半二、松田ばく、栄善平、近松東南、三好松洛(後見)作。実質、半二作といわれる。全五段で、半二好みの対称構成になっている。すなわち序の段と五段目はそれぞれ発端と結末。悲劇のクライマックスである三段目をはさんで二段目と四段目が入鹿調伏のため必要なそれぞれ爪黒の鹿の血と疑着の相ある女の生血とを手に入れるストーリーである。

四段目は井戸替えの段からで、杉酒屋、道行恋の苧環とつづいて三笠山御殿となる。今回は鱶七上使は省略で姫戻りから。その後の入鹿誅伐も省略。

今回配役は

中村時蔵(お三輪)、尾上松緑(鱶七実は金輪五郎今国)、中村萬壽(求女実は藤原不比等)、中村七之助(橘姫)、片岡仁左衛門(豆腐買おむら)ら。

 

お三輪はいつもの鶸色地に十六むさしの着付けだが、駒の一部に時蔵の芸能紋の桐蝶と蔓片喰をいれる。豆腐買が新梅枝を連れて出て劇中口上。お三輪をいじめる官女は三世中村時蔵の孫とひ孫で固めた。孫は歌六、又五郎、錦之助。ひ孫は獅童、歌昇、隼人、萬太郎、種之助。

官女がお三輪の苧環に島台をくくりつけるのはやった。髪に四手もつけた。

お三輪が落入って片付けてから花四天が出て、鱶七がきめて幕。