財務省が隠す650兆円の国民資産 高橋洋一 著 講談社
本の内容
元財務相幹部による史上最大のスクープ。増税は不要、今すぐ使える300兆円を震災地と日本経済のために。
目次
序章 未曾有の大震災の裏で
第1章 官業癒着の闇
第2章 官邸と霞が関に君臨する財務省
第3章 世界の常識「増税なき復興」
第4章 増税への洗脳
第5章 増税のためのデフレ
第6章 埋め直された埋蔵金
第7章 六五〇兆円の資産を国民の手に
終章 「裏支配者」を倒す手段
第1章 官業癒着の闇
第2章 官邸と霞が関に君臨する財務省
第3章 世界の常識「増税なき復興」
第4章 増税への洗脳
第5章 増税のためのデフレ
第6章 埋め直された埋蔵金
第7章 六五〇兆円の資産を国民の手に
終章 「裏支配者」を倒す手段
日本復活ーーーその処方箋
①600兆円を超える政府資産を「国民資産」に
制度設計にメスを入れ、不要な特別会計を整理し、天下り官僚OBのために存続している独立行政法人、特殊法人等を民営化もしくは廃止する。600兆円を超える政府資産はそもそも「国民資産」なのだから、国民のために使うシステムに改革すべきだ。霞が関にひっくり返された、郵政、政策銀行等の改革逆行は、早急に元の軌道に戻す。
②政府主導による大胆な金融緩和
日銀が独立性を盾に取り、抵抗するなら、日銀法の改正を視野に入れて、日銀に数値目標を明示するよう迫るべきだ。100年国債の日銀直接引受による復興費捻出も結果的に金融緩和につながる。政府紙幣発行という手段もある。
大震災後、急激な円高が進んでおり、産業の空洞化に拍車がかかっている。超円高を是正すし、空洞化に歯止めをかけるためにも、大胆な金融緩和が必要だ。
③基幹税の時限減税
震災復興費の財源捻出で所得税と法人税の増税が検討されているが、増税に踏み切ると、日本経済は確実に死ぬ。むしろ、法人税、所得税の減税で景気の回復を図るのが先だ。将来的に増税は必要だとしても、増税実施は、時限減税により日本経済が成長軌道に乗った後である。
④税制改革の推進
税制改革が消費税増税と同義語になっているが、本来やるべき税制改革は、歳入庁の創設と欧米の付加価値税で導入されているインボイス方式への移行。
⑤政治主導を実現するための公務員制度改革の断行
民主党政権が誕生し以降、公務員制度改革は停滞するどころか、後退している。この流れを変え、公務員制度改革を断行し、内閣人事局の創設をはじめとする政治主導の仕組みを整える。
⑥公務員の給与と人員の削減
民主党政権は公務員の給与と人員の2割削減を公約している。これをただちに実施に移すべきだ。これで毎年7兆円の財源が生まれる。しかし、公務員だけに血を流せと言っても、応じない。国会議員の定数と歳費の削減を断行し、判をたれるほうがよい。国会議員が率先して改革をすれば、公務員も変わらざるを得ない。
⑦地方分権への移行
この国の形を根本から改革しないと、日本は世界から取り残されていく。地方分権による大胆な改造が必要だ。大震災は、そのための契機になりうる。東北復興庁を創設し、地方分権への第一歩とすれば災いを福に変えられる。