ダイハツの不祥事から見る"子会社"の悲劇 | VBCテレビブログ放送

ダイハツの不祥事から見る"子会社"の悲劇

軽自動車メーカーの雄であるダイハツの不正行為発覚による全車両の出荷停止から早1ヶ月・・・親会社のトヨタ等をも巻き込み、被害は関連会社を含めて拡大化の様相を呈しております。

前代未聞の"全車両出荷停止"で、関連する産業の被害が拡大するのは言うまでもありませんでしたが、一刻も早い事態の鎮静化が望まれると思います。ダイハツの関連企業で働く従業員は、生活が懸かっていますからね・・・。

さて、ダイハツはトヨタの子会社だった訳ですが、ダイハツの不祥事の一因として"トヨタブランドの車両の製造も請け負っていた"のもあったのかとは思います。てっきりトヨタブランドの軽自動車のみだったかと思いきや、トヨタブランドの普通車の製造も請け負っていたという。

タウンエースやプロボックスやルーミーやライズといった、かつてはダイハツが不得手としていた普通車の製造も請け負っており、これはあまりにもやり過ぎだったと思います。

かつてのダイハツで普通車というと、コンソルテ、シャルマン、タフト、デルタ等、むしろ"トヨタ車をベースにしていた"ものであり、ダイハツとしては自社生産能力が高くなかったことでトヨタの協力を仰ぎ不得手だった普通車をカバーしていたものでしたが・・・。

子会社としては、親会社からの要請を断れなかった部分があったのかとは思いますが、結果的にダイハツの首元を締め付ける元凶にもなってしまいました。

こういった『親会社からの理不尽な要求』は他の業界でも散見されますが、子会社側としては親会社からの要求は絶対に断れないものでありましょう。結果的に無理し続けてトンでもない不祥事に繋がってしまったと。

子会社は、親会社の"植民地"ではありません。


トヨタとダイハツの関係の正常化がまずは問題解決の第一歩でもあると思いますが、トヨタは親会社として子会社であるダイハツの面倒を良い意味で見続けるという基本と原点に立ち返った経営姿勢が求められると思います。






ダイハツシャルマン(二代目)。トヨタカローラのシャシーを流用して製造し、ダイハツの弱点だった普通車販売をカバーするという位置付けでしたが・・・。/(C)Daihatsu Motor Co.,Ltd.