名悪役列伝~八名信夫 | VBCテレビブログ放送

名悪役列伝~八名信夫

味わい深い名悪役を語るシリーズ。今回は、大御所中の大御所!"悪役商会"のドン・八名信夫さんです。

今となってはすっかり好々爺的な雰囲気すら感じられますが、全盛期は『ブラウン管に映ればほぼ100%悪役』という位、"悪役の中の悪役"・"Mr.悪役"という位の存在感でした。

亡父が3度も離婚をし、9歳の時に岡山大空襲を経験し辛うじて生き延びたという。

'56年にプロ野球・東映フライヤーズ(現・北海道日本ハムファイターズ)に投手として入団。背番号は13。しかし入団から僅か3年、通算15試合に登板したのみで1敗・防御率3.86という成績を残し、東映フライヤーズオーナーの故・大川博氏から、『長嶋茂雄や王貞治に打たれるより、高倉健に撃たれろ!』と言われたことから、俳優へ転向したという。

元・プロ野球選手ならではの長身(179cm)を活かし、『体が大きいから小さい奴が撃たれるより迫力があるはず』と売り込んだことがきっかけとなり、悪役として定着するようになったという。

ほうぼうの刑事ドラマでは、悪逆の限りを尽くした後、最後には殺されるというのが決まりパターンでした。もうこの展開は説明不用でしょう。

暴力団の幹部等、お手のものでしたがバラエティ番組でも悪役として重宝され、ドリフ系・ビートたけし系のコント番組でも悪役として欠かせぬ存在でした。ここら辺の"選ばぬ仕事ぶり"が"悪役トラディショナル"たる所以です。

存在感そのものが"悪役"であり、だからこその"悪役商会"なのでしょう。ある意味、"悪役"という単語は八名信夫さんの為にある様なものなのかもしれません。

しかし近年では、勧善懲悪モノのドラマも鳴りを潜めつつあるせいかこの路線を受け継ぐ俳優の台頭が無いのが誠に残念!現役プロ野球選手でも、八名信夫さんの後を受け継ぐ様なヒール系の選手もそうそう居ないかと。


強いて挙げれば中田翔(日本ハム)ぐらいか。チト路線が違いますけどね。





八名信夫さん。キューサイの青汁のコマーシャルも随分と話題になったものです。/(C)石原プロ