君が若者なら | 俺の命はウルトラ・アイ
2018-01-12 23:59:24

君が若者なら

テーマ:深作欣二(ふかさくきんじ)

 『君が若者なら』

 映画 トーキー 90分 カラー

昭和四十五年(1970年)五月二十七日公開

製作国   日本

製作    新星映画社 文学座

配給    松竹

製作    松丸青史

       其田則夫

       武藤三郎

脚本    中島丈博

       松本孝二

       深作欣二

撮影    江連高元

照明    平田光治

音楽    いずみたく

美術    平川透徹

録音    東京スタジオセンター

編集    沼崎梅子

助監督   久保治男

進行主任 小鷹忠

 

出演

 

石立鉄男(樋口喜久男)

前田吟(鈴木麻男)

 

河原崎長一郎(矢部清)

林秀樹(井上一郎)

峰岸隆之介(北野竜次)

 

寺田路恵(矢部ユキ子)

太地喜和子(井上朱美)

小川真由美(北野秋子)

 

荒木道子(矢部とよ)

矢吹寿子(鈴木静江)

金井大(永田千造)

藤田弓子(銀行員)

下川辰平(刑事)

小瀬格(本富士署警察官)

室田日出男(ボクシングの客)

 

☆☆☆

峰岸隆之介→峰岸徹

☆☆☆

 

 

 

監督 深作欣二

 

☆☆☆

平成十五年(2003年)八月十八日

シネ・ヌーヴォにて鑑賞

☆☆☆

 

 喜久男・麻男・清・一郎・竜次の五人は同じ工場に勤務してい

た。九州炭鉱出身の喜久男・麻男は幼馴染の仲だ。清の家族

は佐渡の漁師である。竜次は北海道開拓集落に誕生した。一郎

は川崎の労働者の子供であった。集団就職で上京した五人は

気が合って仲が良かった。しかし工場が潰れてしまった。

 

 竜次はボクサーを目指して四人の仲間が応援に行く。客席の

やくざ風の男に敵愾心を燃やした麻男は喧嘩を売って大乱闘に

なり警察に叱責される。

 五人は頑張ってトラックを買おうと約束した。

 

 しかし、清は盗みで警察に捕まってしまう。

 

 一郎はホステスの朱美と結婚する。

 

 竜次の姉秋子の励ましを受けた麻男・喜久男は努力し遂に

トラックを買えた。

 

 清が服役中に妹のユキ子が上京する。喜久男・麻男は共に

彼女を好きになる。

 

 清が脱獄してきた。喜久男と麻男は迷う。清は刑務所で看守

にいじめられたことを恨んでいた。

 

    「俺はな、看守の女房を強姦してやろうと思ったんだ」

 

 清の憎悪は罪のない看守の奥さんに向けられようとしてい

たが、その計画は思い止まった。

 

 疲労している清はもう一度故郷の海を見たいと希望した。

 

 麻男は清の命がけの望みを叶えたいという心から、トラック

で日本海に向かう。

 

 日本海に着くトラック。だが清は衰弱死する。

 

 悲しみの麻男は、トラックを飛ばし、崖から落ちてしまう。

 

 命は助かった麻男だが、警察に逮捕される。

 

 海岸に立つ喜久男とユキ。

 

 ユキは兄清をわかってくれた麻男に深く想っていた。

 

 喜久男は海岸にただ一人残った。

 

 ☆☆☆若者達の葛藤☆☆☆

 

 深作欣二が松竹で撮った青春映画の名作である。悲しみと

切なさが溢れている。昭和四十二年生まれの自分のような者

が見聞しても、四十五年という時代の悩みや苦しみや哀感が

しみじみと心に迫ってくるのだ。

 

 松竹は『若者たち』のヒットで、姉妹篇のような青春物を深作

欣二に期待したようだ。だが、中味は屈曲と苦悩と怒りを抱えた

若者たちが時代社会の荒波と戦いもだえぶつかりながら、挫折

し苦悶するというハードで重く激しい作品になった。

 

 山根貞男の証言によると、山本薩夫が深作欣二を推薦した

らしい。

 

   深作   脚本の中島丈博さんとは初めてですから、丈博さ

         んのほうから言ったはずはないと思います。

   (『映画監督 深作欣二』194頁

    平成十五年七月二十日発行 ワイズ出版)

 

 集団就職で上京した若者五人が青春の悩みを抱えながら、「ト

ラックを買おう」と志を抱くが、それぞれの状況と問題でグループは

四分五裂してしまう。

 

 喜久男と麻男が親友だが、清の妹ユカを巡って三角関係にな

っていくドラマが迫力豊かだ。

 

 石立鉄男は冷静で落ち着いている。

 

 前田吟は熱く激しく逞しくてダイナミックだ。

 

 寺田路恵はセクシーで、ヌード・シーンが魅惑的で綺麗だった。

 

 河原崎長一郎が屈曲と哀しみから怒りを爆発させるが、故郷の

海を見たいと望んで死んでいく清の哀れさを熱く演じる。

 

 峰岸隆之介の繊細さ、林一郎の温厚さも印象的だ。

 

 ボクシング試合のやくざ風の男を室田日出男が強烈な存在感

で見せる。麻男が敵愾心を燃やしいきなり殴りつけてしまうのは

男に凄みと威圧感を感じたからだろう。無茶苦茶な話なのだが、

男が挑戦したくなる大きな男。室田日出男の巨大な凄みが光って

いるのだ。

 

 麻男が友情から清の気持ちを想って日本海へ向かって、トラック

を運転する。

 

 朝日の日本海。清が衰弱し息絶えて行く。悲しみをこらえる麻男。

 

 観客の胸も熱くなる。

 

 ラストでユキは喜久男と距離を置く。

 

 ただ一人残った喜久男が、哀切な心を噛みしめる。

 

 親友を亡くし、兄弟の関係の大親友と別れ、愛する人と離れる。

 

 だが、そこに喜久男は自己の新たなる道を探すきっかけを得た。

 

作さん青春映画の名作である。

 

 

                                     合掌

 

 

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