本朝廿四孝 平成二十五年一月 国立文楽劇場 | 俺の命はウルトラ・アイ

本朝廿四孝 平成二十五年一月 国立文楽劇場

 『本朝廿四孝』


 「十種香の段」


 「奥庭狐火の段」





蓑助 勘十郎 廿四孝


 


 「十種香の段」


 切        豊竹嶋大夫


          豊澤富助




 八重垣姫   吉田簑助




 濡衣      吉田蓑二郎


 長尾謙信   桐竹勘壽


 白須賀六郎   吉田勘市


 原小文治    吉田玉佳




 武田勝頼   桐竹勘十郎






 「奥庭狐火の段」


          豊竹呂勢大夫


           鶴澤清治




    ツレ    鶴澤清志郎


          


    琴     鶴澤清公


 


 八重垣姫     桐竹勘十郎




 平成二十五年(2013年)一月十四日


 国立文楽劇場公演



 絵像の武田勝頼に恋する八重垣姫。


 姫の直感は、花売り蓑作が愛しい勝頼で

あることを洞察する。




 恋する絵像の人は、現れた花売の青年で

あった。




 八重垣姫の恋心が起こす不思議の物語。




 豊竹嶋大夫の情熱の語りに感動した。




 豊澤富助の三味線も深い。




 


 『本朝廿四孝』は浄瑠璃の大傑作である。






 歌舞伎の『本朝廿四孝』も名作である。




 だが、文楽の『本朝廿四孝』を鑑賞すると、日本

の愛の根本・本源を教わったと実感した。




 恋の情熱と愛の尊さが光り輝く名舞台であった。


 簑助の八重垣姫の美は、言葉・文字では表せない。


 まさに美の極致であった。




 大感激を賜った。



 勘十郎が遣う勝頼は超絶の美である。


  感嘆し息を呑んだ。




 「文楽は偉大」であることを国立文楽劇場の名舞台

から実感していたが、平成二十五年一月十四日のこ

の歴史的舞台は、愛と美を極め尽くし明かした演劇で

あることを改めて学んだ。




 文楽は宇宙最大の演劇である。




 文楽は日本の生命である。






 「奥庭狐火」




 桐竹勘十郎はこの段では八重垣姫を遣う。




 姫の愛が愛しい勝頼を守り切る。




 勘十郎が遣う八重垣姫は優美さの極致である。




 演劇の命を教えて頂いた。






 文楽の深さは宇宙的なスケールであると確言する。




 勘十郎が遣う八重垣姫は、その宇宙的な大きさを、

無償の愛で明かしてくれた。




                          文中敬称略

                              合掌