ウルトラセブン マックス号応答せよ（二）
放映日/1967年10月22日
監修/円谷英二
脚本/山田正弘 金城哲夫 初稿「豪華船蒸発」
音楽/冬木透
出演/
中山昭二（キリヤマ隊長）
森次浩司 （モロボシ・ダン、偽モロボシ・ダン、
ウルトラセブン/声の出演）
菱見百合子（友里アンヌ）
石井伊吉 （フルハシ・シゲル、偽フルハシ・シゲル）
阿知波信介（ソガ）
古谷敏（アマギ）
水上竜子（白いワンピースを着た女性）
幸田宗丸（艦長）
西京利彦（ゴドラ星人/スーツアクター）
小林恭治（ゴドラ星人/声の出演）
満田 禾斉（地球防衛軍隊員・声の出演）
宮川洋一（ マナベ参謀)
佐原健二（タケナカ参謀）
上西弘次（航海長 ウルトラセブン/スーツアクター）
浦野光（ナレーター）
特殊技術/有川貞昌
監督/満田 禾斉
☆☆☆☆☆
森次浩司→森次晃嗣
菱見百合子→ひし美ゆり子
石井伊吉→毒蝮三太夫
満田 禾斉→満田かずほ
☆☆☆☆☆
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『ウルトラセブン マックス号応答せよ』
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☆☆☆知的な敵役 ゴドラ星人☆☆☆
第四回『マックス号応答せよ』の魅力は、なん
といってもゲスト宇宙人ゴドラ星人の存在感に
あると言えるでしょう。迫力のある目、鋭い視線、
鋏の手、赤いチョッキのような服装。成田亨氏
は数多くの宇宙人・怪獣を産みだされましたが、
強烈なキャラクターという点において、ゴドラ星
人は悪役キャラクターの中でもその個性で光り
輝いています。
知的で落ち着いた語りもその冷酷さを際立させ
ているとも申せましょう。
マナベ参謀がソガ・ダンに秘密の任務を与え、
ダンが豪華船に送り、船内でソガがタケナカ参謀
から極秘の任務を説明される。この緻密なドラマ
に『007シリーズ』『スパイ大作戦』の影響を感じま
す。
1967年当時大人気を誇ったアクション映画・ア
クションドラマの金字塔です。
上空に飛ばされ宇宙空間に拉致される豪華
船。
ウルトラ・アイを美女に奪われるダン。
フルハシ・アマギのマックス号救出作戦。
ゴドラ星人の威嚇。この威嚇のシーンにおける
知的で穏やかで気品豊かな語りに、ゴドラ星人
の冷酷さが極まります。
ダンが情熱のヒーローならば、対峙するゴドラ
は冷酷の悪役として立ちはだかります。その冷た
い個性が時にユーモアを交えて語られる点にも、
ドラマの品格を感じます。
贋フルハシの登場とダンの不審。原子炉への
爆弾テロの計画。監禁されるダン。贋ダンのアン
ヌ拉致計画。美女登場。ダンの逆襲。アマギの
決死の帰還と爆弾計画の通報。セブンの協力に
より原子炉を爆弾から守るキリヤマ隊長。
金城哲夫先生・山田正弘先生のダイナミックな
脚本あ90分のアクション映画になるとも思われる
豊富なエピソードを25分に凝縮しました。満田か
ずほ監督はその豊かなドラマを一気呵成の語りで
スピーディーに演出されました。
平原におけるゴドラとセブンの激闘は、バトル
シーンの中でも白眉と思われます。
突っ込むセブン。逃げるゴドラ。
追いかけるセブン。
逃げるゴドラ。
エメリウム光線でゴドラを倒すセブン。
自然の中での激闘は迫力豊かです。
冬木透氏が作曲された主題歌候補曲が鮮や
かに奏でられましたね。
アクションシーンの傑作です。
豪華船に乗り込んでゴドラ星人を倒し、フルハ
シ・アマギ・ソガ・タケナカを救出するセブン。
宇宙空間を漂泊する四人が酸素ボンベを
付けるのみで宇宙服も無しで何故無事なん
だ？
この疑問は確かに精確だが、アクションド
ラマには、「荒唐無稽」も個性の一つであり、
リアリズム思考とは違った奇抜さも又魅力の
一つなのだ。
ジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』でロ
ケットが放たれ、月に着陸すると、月が泣き
そうになる。この傑作シーンが教えてくれて
いるように、映画表現には大胆さがある。
爆発するマックス号。
セブンの勇気ある行動で危機を突破する
四人。
第四回のラストには、ドラマのパワーを感じ
た。
凄まじい表現で救出シーンが描かれるが、
友人・仲間の為に命を捧げるウルトラセブン
の勇気を示す名場面でもある。
文中一部敬称略
参考資料 『ウルトラセブン』 DVD．vol 1
2015年10月1日
合掌
南無阿弥陀仏
セブン