
米財政、綱渡り変わらず デフォルト期限先延ばしでも
米連邦政府の借入限度額である「債務上限」問題を巡り、バイデン政権と野党共和党の交渉が難航する中、イエレン財務長官は26日、米国がデフォルト(債務不履行)に陥る恐れのある期限を6月1日から5日に先延ばしした。
これまで曖昧だった期限がはっきりし、米財政が綱渡り状態であることが改めて浮き彫りになった。
「6月5日までに上限が引き上げられなければ、資金は不十分になる」。
イエレン氏が議会指導者に宛てた書簡では、財務省が1、2日に社会保障関連の支出を行えば、財政資金がほぼ底を突くと明言された。
これまでは「1日にも」支払いが滞る可能性が高いとしていただけに、「より正確な予想」(米紙ワシントン・ポスト)と受け止められている。
たとえ上限引き上げで合意に達したとしても、上院と、共和党が多数派を占める下院の両院が関連法案を可決する必要がある。
通常の法案でも上下両院を通すには数日かかるため、期限が若干先延ばしになった程度では、デフォルトリスクが遠のいたとはとても言えない。
一方、こう着していた政権と共和党の交渉には進展もうかがえる。
バイデン大統領は26日、記者団に対し、「合意について深夜0時(日本時間27日午後1時)前に、よりはっきりした証拠をいくらか得られると望んでいる」と指摘。
「(合意は)非常に近い」と述べた。
しかし、バイデン氏が示した時刻を過ぎても、交渉妥結の報はない。
米メディアによると、双方は向こう2年間の歳出抑制と債務上限引き上げに関して協議している。
ただ、共和党内で強い影響力を持つ右派は今後10年間の歳出抑制等を強硬に主張しており、協議の行方に影を落としている模様だ。
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