ヤバいときでも仕事を止めない、個人事業の信頼性設計 | スモールビジネスの教室/名古屋のスモールビジネスコンサルタントのブログ

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個人起業のスタートアップからスタッフ10人までの小さな会社の売上アップをお手伝いする、
スモールビジネスコンサルタントの高橋浩士です。

仕事上でイザと言うことが起きた時、どう対処するのか。

プロとしてのとっさの判断力や、ふだんからの危機管理力が試されるシーンですね。

今日は「自分の仕事の信頼性設計」のお話しです。


【ノートパソコンも信頼性重視で選択】

あるコラボセミナーでのこと。

ワシとペアを組んでくださった先生が、当日の会場でご自分のMacとプロジェクターを接続しようとしました。

ところが、うまくMacの画面がプロジェクタに映りません。

その後に講師を務める予定だったワシのパソコンはWindowsです。

ワシはMacについては疎いため、お助けすることができません。

セミナーの開始時刻は迫ってきます。

そこで、このように対処しました。
  1. スライドの資料をPDFに変換していただき、ワシにメールで送っていただく
  2. ワシのWindowsパソコンを使って、PDFをスライドとして利用する

これだけでもメールの送受信などにけっこう時間がかかり、ギリギリで間に合いました。

もし「なんとかMacの映像をプロジェクタに映し出そう」ということに集中していたら、間に合わなかったかもしれません。

こういったトラブルはいつ起こるか、どんな形で起こるかが予想できません。

なので、すべての状況を予測して備えておくのは不可能です。

ただ、一般的な「信頼性設計」の基本を押さえておくと、イザというときに頭の中で「危機脱出マニュアル」を創り出すことができます。

イザというときに被害を最小限に抑える思想「縮退運転」

実はこれ、システム設計に関する知識なのです。

「信頼性設計」の設計思想のひとつでフェールソフト(縮退運転/しゅくたいうんてん)と言います。

たとえば銀行やコンビニエンスストアのコンピュータシステムでトラブルが起きた時のことを想定してみてください。

最悪なのは「全機能がストップする」ということです。

銀行やコンビニの営業がマヒし、利用者や店舗に多大な迷惑がかかり、新聞沙汰、裁判沙汰になるほどの「おおごと」になってしまうでしょうね。

このような場合「トラブルが起きた箇所だけを全体から切り離し、最低限の機能を維持する」必要があります。

最悪の事態を避けるために、段階的に「やむを得ない部分」を切り捨てていくのです。

たとえば銀行やコンビニエンスストアの場合、本社の機能をストップさせてもやむを得ないので、店頭の業務を続行させる、ということです。

これは、タコが敵に襲われたとき、自分の脚を切り離してでも生き延びようとする姿勢と同じです。

この「徐々に機能を低下させてでも運転を止めない」という考え方を縮退(しゅくたい)運転と言います。

セミナー開始の45分前に「Macがプロジェクタにうまくつながらない」ということが判明したとき、最悪の「機能停止」として想定できることは「セミナーができなくなる」ということです。

さいわい、ワシとコラボをしてくださった先生はたいへん「お話しするスキル」が高いかただったので、最悪の場合はスライド無しでも予定の3時間を話しきることができる方でした。
(この点、ワシには無理です)

だけどこれがもしワシの場合だったら。

ワシのセミナーでは「セミナーでスライドが占める要素」が大きいので、完全な「機能停止」があり得たかもしれません。

そのためワシはふだんから、セミナーの際にはスライドファイルを3か所に分散保存してあります。

(パソコンの中、USBメモリ、クラウド)

そして、それぞれの場所にパワポデータ以外にもPDFを保存してあります。

最悪、PDFと「プロジェクタに映し出せる何らかのデバイス」があれば、セミナーが「機能停止」することのないように「安全性設計」がしてあるんですね。

万が一、移動中にパソコンやUSBメモリが入ったカバンを盗まれたりしても、とりあえず「身一つ」で会場に入れば、借りたパソコンでもセミナーができるように「信頼性設計」がしてある、ということです。

これは講師としての安全性設計のお話しでしたが、この「フェールソフト」(完全に業務を停止せずに最低限の機能を維持する)という考え方は、広く他の業務にも応用できるハズです。




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