ガクモンを実学に | スモールビジネスの教室/名古屋のスモールビジネスコンサルタントのブログ

テーマ:
ワシの個人的な見解ですが、ビジネスに関連する学問というものは、「実学」でなくてはならないと考えています。
つまり「使える知識」でなきゃイカン、ということです。

いくら学者のセンセー方が高尚な文章を書いても、それが実際のビジネスの現場で使うことができ、それが業務の上で効果をもたらさなければ、机上の空論ですよね。

とはいえ、ワシは学者のセンセー方をバカにしているわけではありません。
全く逆で、見上げるように尊敬しています。

ワシは研究者の方々の実態を知る由もありませんが、実際にビジネスの現場に長期間入り込んで研究をしているものと思います。
現場からかけ離れたところから理論だけを振り回しているわけではないはずです。

しかし、それが論文や著作のような形になると、現場の人たちから遠ざかってしまっているような気がしてなりません。
ひとつには、学問系の書籍や論文でよく使われる「言葉(単語)」や「言い回し」にあるように感じています。

そうなってしまう原因の一つが、その著作のターゲットの設定です。
たとえば「経営戦略」や「マーケティング」に関する専門書が想定する読者は、同業の「研究者」やコンサルタントなどの人たちだと考えられます。
たぶん、実際の中小企業の経営者などの「実務家」ではないはずです。

そのため、平気で何の解説も無くマーケティングの専門用語が飛び出したり、曖昧な解釈を避けるための難解な言い回しが登場するのです。

そうではなく、もしそれらの本が中小企業の実務家の方々をターゲットにしているのであれば、「適切なターゲットの設定の必要性」を伝えるべきその本自体が、ターゲットの設定を間違えていることになります。

専門用語だけではなく、日本語の言い回しにしても、序文で
「ありうべき誤謬(ごびゅう)は著者の責任である」
マーケティング戦略 (有斐閣アルマ)
なんて言い回しが出てくると、
「果たしてこの本、自分に読めるかな」と不安になってきてしまいますよね。

このブログでもたびたび紹介しているある本は、中小小売業の方々にとってたいへんためになる内容が記載されています。
スモールビジネス・マーケティング―小規模を強みに変えるマーケティング・プログラム

ページ数も少なく、文字も小さすぎず、最初はあまり抵抗感を抱くような体裁ではありません。

しかしこれも、実務家ではなく研究者(大学教授)による著作ですので、「ベネフィット」だとか「FSP-Frequent Shoppers Program(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)」などの一般には馴染みの無いマーケティング用語が解説も無く出てきたり、「価値を創造する」など抽象的な言い回しがたびたび出てきます。

このため、ワシとしても「いい本だけどあまり広くおすすめできない」という気持ちになります。

専門用語を使うと、その意味を説明する必要性や、その言葉のバックグラウンドを説明する必要が省かれ、コンパクトに濃い内容を記述できる、というメリットがあります。
そのため、少ないページ数でも体系的に多くの知識を得られます。

実際、この本は少ないページ数ではありますが、実務家が書いた商業的なビジネス本に比べると、数倍の濃い内容が書かれている、と個人的には感じます。

ただし、読み手にある程度の語彙を求めるわけですね。

こういった「学問的な知識」を、「使える知識」として変換し、個々の状況に合わせてカスタマイズし、伝えるために、コンサルタントやアドバイザーといった仕事が存在しているのだと、ワシは思っています。

仏教の教義を実際の市井の人々に伝えるお坊さんだとか、
神の言葉を人々に伝える神父さんや神職のような役目でしょうか。

でも、ワシ個人としては、いくら現場にわかりやすく伝えるための役割とはいえ
「これだけやればうまくいく」
といったような、「○○式ダイエット」のような方法は採りたくありません。

学問の世界では「体系立っている」「論理的に整合性がある」という特徴があるわけで、ある特定の一部分だけをクローズアップして「それだけ」にしてしまうのは、無理があると考えているわけです。

「リンゴだけ食べていれば痩せられる」という言葉が医学的に無理があるのと同じです。

自分で書いていて、身が引き締まってきました。
「使える実学を伝える」。

重いけど、みなさんにとって役立つ存在でありたいです。

スモールビジネスコンサルタント(名古屋)高橋 浩士さんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

SNSアカウント

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス