こんにちは。自治体法務研修講師の奥田泰章です。今日も行政不服審査のお話が続きます。


審査請求は、行政庁の処分があったことを知った日の翌日から計算して3か月以内にしなければなりません。


この請求期間を過ぎてしまうと、提出しても不適法な審査請求となり、却下(門前払い)されることになります。


ただし、例外があります。3か月を経過したことに「正当な理由」があれば、適法な審査請求になるのです。


ところが、どのような場合に「正当な理由」があるといえるのかについては、規定がなく、解釈に委ねられています。では、どのように解釈されているのでしょうか。


一つは、天災その他やむを得ない場合。つまり、地震や水害など審査請求ができない客観的な事情がある場合に限られています。


したがって、長期の出張や入院など主観的(個人的)な事情によって3か月を経過した場合は、やはり不適法で却下されます。批判もありますが。


もう一つは、処分庁が間違って請求期間を長めに教示した場合。たとえば、3か月と教示すべきなのに、取消訴訟の出訴期間と取り違えて6か月と教示する間違いが時折見受けられます。


この場合、3か月を経過しても6か月以内にした審査請求は適法となりますが、6か月を経過した場合は、やはり不適法で却下されます。



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