歩み寄ったのは人類か、ゴジラか
1966年 監督/ 福田純
ゴジラシリーズ第7作。シリーズ生みの親であり、そのスタイルを築き上げた本多猪四郎監督と伊福部昭音楽監督から、福田純監督と佐藤勝音楽監督に引き継がれた作品。福田監督はボクの大好きな『電送人間』の監督です!これは期待値上がりますよ!
長く続くシリーズ物には必ずターニングポイントがあります。第1作『ゴジラ』から前作『怪獣大戦争』までがシリーズ最初の到達点と捉えると、本作がまさに変換期ではないですか?
南海に浮かぶ孤島に漂流した4人が、島を支配する謎の集団"赤イ竹"と戦うアドベンチャー作品。
"南海の孤島"という特異な空間を上手く利用した斬新なシークエンスが次々披露されます!やるな!飽きさせない!
そして、それまでのカラーを払拭する雰囲気に拍車をかけるのが、佐藤勝による南国をイメージしたサーフミュージック!コレが斬新ながらもエビラや、南海大冒険のイメージにピッタリなんです!
殻を破るその意気込みと手腕に驚きました!
【この映画の好きなとこ】
◾︎エビラ
そのビジュアルから完全にゆるキャラだと思ってたんだけど、意外に凶悪で忌まわしい存在です!ハサミ(エビにはさみ?)を海面に突き出す登場シーンから、船員を仕留めるまで結構なインパクトを残します!南国の陽気なロケーションとのコントラストも絶妙!エビラ好きになっちゃったな。
◾︎南海の大冒険
"赤イ竹"に追われる数々のハラハラシーンが、良質な冒険映画に仕上げてくれています!
◾︎眠るゴジラ
"赤イ竹"に追われる一行が隠れた洞窟になんと眠るゴジラが!化石化したようなビジュアルが神々しくて好きです!ゴジラ登場シーン数あれど、コレかなりのインパクト!
◾︎ゴジラの目覚め
落雷によって目覚めるゴジラ。光る背びれ、爪がカッコいい!こんなゴジラ復活シーンが見られるとは!
◾︎エビラとのファーストコンタクト
眠りから醒めたゴジラ。どんなバトルを見せるのかと思いきや…またコレかよ!最高だな
◾︎アクアゴジラ
初の水中戦!なんとも美しい!口から漏れる泡までビジュアル度満点の戦いが繰り広げられます!
◾︎美女と野獣
インファント島の美女ダヨに一目惚れするゴジラ!ダヨを狙い接近した大コンドルを倒し心が通うシチュエーションはもはや『キングコング』!
ダヨに釘付けになるゴジラ!
大コンドルがダヨを狙う!仕込みじゃないだろうね?
人類側に更なる一歩を踏み込ませたダヨの魔力は、モスラの説得をも凌駕する!
大コンドルがダヨを狙う!仕込みじゃないだろうね?
人類側に更なる一歩を踏み込ませたダヨの魔力は、モスラの説得をも凌駕する!
◾︎モスラはどこ?
タイトルにある"ゴジラ・エビラ・モスラ"の冠から三大怪獣のバトルを期待するのが当然ですが、そんな絡みはありません!初見でがっかりさせられますが、2回目の鑑賞ではまったく平気!てか、そのユルユルな使い方、その仕事ぶりに心躍らされます!
インファント島とその住民もたっぷり描いてくれてます
◾︎脱出
爆発寸前の島から脱出する一行がゴジラに「逃げろー!」と叫ぶ!人間側も結果的に助けてくれたゴジラに気持ちが傾いた瞬間!
それまでのシリーズファンをいい意味で裏切る快作です!"これまでのファンが見たこともないようなものを作ろう!"そんな製作陣の意気込みが感じられる変化球の連続に思わずうれしくなりました!!前作『怪獣大戦争』までが面白すぎたので、絶対にそれ以上はないと予測していただけに驚きました!もちろん"それまで"には敵わないんですけど、なんとも斬新なビジュアルの連続で観るものを飽きさせません!
そして先にも書いた佐藤勝の音楽が最高で、夏が来る度観たくなりそうな作品です!
まだまだ進化やまないゴジラシリーズ。この後の展開がますます楽しみになりました!
以上転記終了