走ってきた!第30回日本山岳耐久レース(ハセツネカップ)その5  月夜見第2駐車場 編
 
 
 
雨の吹き付ける山頂で短い補給をする。ほんの数分座っただけで体温が下がるのがわかる。早く樹林帯に入らなければ。
 
三頭山からしばらくは急降下となる。斜面に人が溜まっていると思ったら、山道が泥の滑り台となり、降りられないようだった。仕方なしに藪を掻いて降りたが、結局は🐱も数mほど滑り落ちた。
月夜見はまだか。泥の滑り台を過ぎると、稜線下の斜面に進行方向左側が切れている道が続く。へ電で照らしても木々ばかりで下が見えない。落ちたらしばらくは気付かれないのではないか。。
列車の最後尾を必死に付いていく。前方を確かめると、列車の先頭が白っぽい背の高い選手に追い付いた。何か被っている。和装のかつぎ?のようにも見える。夜叉か?
そして、骨の折れたビニール傘を頭上に差して、下は素足、履き物はサンダル、時折ヒャッヒャッと声を出しながら走っている。シングルトラックで追い越せないので、しばらく観察してみる。
妖怪じみた格好だが、かつぎに見えたのは、ザックにも被せた白いビニールカッパ、声は足元が滑った時に声を出すようだ。
大会中の集団走だからいいものの、もし、普段の山行で暗闇のなか出会ったら、トラウマものだろう。
列車の前方何人かは前に出たが、🐱はタイミング的に取り残された。決してゆっくり歩いているのではない。意味を成さない傘差しは謎だが、片手運転で滑る道を走るのは、それなりの手練れには違いない。
ちなみにハセツネ本戦には推奨装備は紹介されているが、必携装備がない。自分の身を守りながら完走するために必要な物を、自分で考えることになっている。
推奨品
(6)競技者の必要装備品としては、水2リットル以上、防寒具兼用の雨具、行動食、ライトを推奨いたします。その他本人が必要とする装備品は制限いたしません。
 
…だからビニールカッパだろうが、傘差しだろうが違反ではない(笑)
 
鞘口峠を過ぎて傾斜が落ち着いてくると、登山道に泥水が溜まるようになった。🐱は後方に近いから、すでに千人以上が捏ねた泥道である。泥道はやはり、泥の中にそのままで突っ込むのが一番速い。
 
ほんの少し車道に出て、再び月夜見山へ登ると、あとは第2関門の月夜見第2駐車場まで下り。夜目にも林の切れ間がわかると、舗装路にぽっと出た。前方が照明で明るい。雨はいつの間にか弱くなっていた。手が泥まみれ。側溝に流れ込んでいる雨水に手とポールを浸けて洗う。泥がこべりついて全部は落ちなかった。
 
03:10月夜見第2駐車場
第2関門であり、唯一のエイド。水ORスポーツドリンクを1.5Lまで受けとることができる。ハセツネは例年であれば水切れとの戦いであり、月夜見まで携行する水分が持つかどうかが完走の分かれ目と聞いていたが、今回は低温につき汗をかかず。
月夜見到着時点でスポドリ0.3L程度、真水0.5L、カフェオレ0.5Lが残っていた。コース上の自然の水場は大岳山荘下で、計画では4時間後。1.5L満タンに補給を受けずとも持ちそうでなので、スポドリとミネラルウォーターを0.5L1本ずつ頂き、携行してきた真水はただ捨てるのも勿体無いので、手と顔を洗った。
小雨のなか、身体でガードして、へ電の電池を換える。夜明けまであと2時間ほど。それまで持てば良いので、ここから先は派手めに使ってみる。
他にトイレなど、何だかんだで15分ほどの滞在となり、焦って走り出したところ、係の人に「そっちじゃないですよ!」と呼び戻される。疲れてんな。アリガトウゴザイマス…。
 
 
 
まだ、続きます。。。