橘 玲著 新潮新書
もう読まれましたか?
言ってはいけない (続 含め)
からの愛読者ですが、科学的根拠に基づく、冷徹な現実を、優しく説いてくれてます。
現代社会や、家庭、人間関係に至る、不満や、不合理、そして、差別やいじめまで。
これは、決して、時代の変遷で説明できるのもではなく、
むしろ、ダーウインの進化論や、リチャード ドーキンスの利己的な遺伝子でこそ、
説明がつく、科学的帰着点としての生命の必然なのだ、ということを、淡々と
述べています。
この視点で、皆が、冷静に物事を判断し、理性の力で、社会を構成していけたのなら、
人類は、また、違った世界を見ることが出来るものと思います。
一方で、前述の絶対則に立脚する以上、世界平和や、ユートピアが、如何に荒唐無稽なものか
を思い知ることになります。
人知の自制心、英知を、私たち一人一人に問う名著です。