時は2202年5月初め午前9時。場所は、地球防衛艦隊司令本部庁舎内講堂。

壇上に、藤堂さん・土方さん(ヤマト艦長)・山南さん(地球防衛艦隊司令長官

代理)・新キャラ(地球防衛艦隊総参謀長代理)・古代雪・テレサ。

集合したメンバーは、旧ヤマト乗組員+2199の旅で戦死したメンバーの補充要員。

土方さんはすでに立っていて、マイクで話を始めるところから映像スタート。

 

土方さん:「今回の出撃の目的は、ガトランティスと戦闘中のガミラス・

イスカンダル二重惑星の防衛とガトランティスの中枢を叩くことだ。

沖田も言ったように、諸君らの身の安全は保証できない。

だが、必ず生きて帰って来よう。

明朝0600に抜錨する。遅れた者は、地球への残留希望者と見なす」

古代雪:「それでは、各セクションのリーダーを発表します。

機関科:山崎奨3佐、戦術科:古代進2佐、航海科:島大介2佐、

技術科:真田志郎1佐 真田1佐には副長も兼任していただきます。

なお、技術科顧問として、ガミラス教育科学省軍事研究局員テレサ・テレザートさんにも乗艦していただきます。

保安科:星名透2尉、船務科は私、古代雪2佐が務めさせていただきます」

 

第七幕場面転換その1

 

時は、上記と同じ時間帯。場所は徳川家。

4歳になったアイコちゃんは、テーブルの上に「ひらがなれんしゅうちょう」を

広げて字のお稽古中。その横で、真剣な顔で考え事をしている徳川さん。

アイコちゃん:「おじいちゃん、どうしたの?」

徳川さん:「(急にニッコリしてアイコちゃんの顔を見つめ)ちょっと考え事をしてたんじゃよ」

しかし、すぐにアイコちゃんから目を逸らし、また真剣な顔に戻る。

徳川さんの脳裏に、沖田前艦長との最後の会話シーンが思い浮かぶ。

(徳川さん:「山崎は優秀だが、まだわしらの生き様は伝えきっておりません」の

シーン)

太助を呼び、アイコちゃんを託す。

徳川さん:「(アイコちゃんの頭を撫でながら)おじいちゃんは、ちょっとお出かけしてくるから、いい子にして待ってるんじゃぞ」

徳川さん:「太助、やはり、わしは行ってくるよ。アイコを頼んだぞ」

数日前から悩み事をしていた徳川さんの様子を見ていた(そして、悩み事の内容も

察していた)太助は、「必ず帰ってきてくださいね」と言いながらうなずく。

身支度をしに、部屋を出て行く徳川さん。

 

第七幕場面転換その2

 

時は、上記と同じ時間帯。場所は相原家。

年老いた相原の母親が、ベッドに寝て療養している。部屋には、父親の遺影と位牌もある。

相原が、部屋の掃除をした後、母親の布団を直している。

相原は沈んだ表情をしており、顔色も良くない。

母親:「なんか最近、元気が無いねえ」

相原:「(無理に明るい表情をして)そうかなあ。もしかしたら、風邪でもひいたのかもしれないなあ」

母親:「お前は本当にできた息子だねえ。無事、地球に戻って来てくれて、復興作業をしながら私の面倒もみてくれて。母さんの誇りだよ。だから、お前が一番したい

ことをしたらいい」

相原:「何を言い出すんだい」

母親:「わかっているよ。ヤマトのみんなのところに行きたいんだろ。行ってくればいい。地球の復興もだいぶ進んで、介護サービスも始まった。私は大丈夫だから、

お前のやりたいことをやったらいい。

だけど約束しておくれ。必ずまた戻って来ると」

相原:「(涙をボロボロ流しながら)母さん!!(あとは嗚咽で声にならない)」

 

第七幕場面転換その3

 

時は、上記と同じ日の午後。場所は、地球防衛艦隊司令本部庁舎内司令長官室。

土方さん:「新戦艦の建造状況はどうだ?」

山南さん:「急ピッチで進んでいます。設計はすでに終了。やはり、ヤマトを造った経験は大きいですね。それから、新戦艦の名前はアンドロメダに決定しました

土方さん:「無理に援軍に来なくていいからな。何よりも地球の復興を第一に考えてくれ。あとは頼んだぞ」

山南さん:「了解です」

 

第七幕場面転換その4

 

時は、上記と同じ日の午後。場所は、加藤夫妻の住んでいる地球防衛艦隊官舎。

2歳になった翼くん。コスモゼロのおもちゃを持って、ブーンブーンと言いながら、

加藤真琴にまとわりついたり、加藤三郎にまとわりついたりしている。

加藤三郎:「翼は可愛いなあ。俺は行って来る。翼を頼む」

加藤真琴:「3人でまた幸せに暮らしたいよ。だから、必ず戻って来てね」

加藤三郎:「ああ、わかった」

ピンポーンとチャイムが鳴る。

山本玲:「山本です。お迎えにあがりました」

加藤三郎:「時間だ」

ドアを開けると、山本玲が敬礼して立っている。

加藤三郎:「お迎えご苦労さん。(一旦、真琴と翼くんを名残惜しそうに振り返った後、前を向いて)さあ、行くぞ」

山本玲が、加藤真琴と翼くんに一礼後、2人は連れ立ってヤマトに向かう。

 

第七幕場面転換その5

 

時は、上記と同じ日の午後。場所は、古代夫妻の住んでいる地球防衛艦隊官舎。

古代進:「覚悟は決まった?」

古代雪:「もちろん。そっちこそどうなの」

古代進が雪を抱き寄せる。雪が古代進の背中に手を回す。微笑みながら見つめ合う

2人。目を閉じてキスをする。唇を離してからも抱き合って余韻に浸る(雪は頰を

古代進の胸に埋めている)。2人が離れる。

古代守の写真に向かって、

古代進:「(ハーモニカを握りしめながら)兄さん、行って来るよ」

古代雪:「必ず生きて帰って来ましょうね」

微笑みながらうなずく古代進。

 

第七幕場面転換その6

 

時は、出港日当日午前5:00。場所は、ヤマトが鎮座する海中ドック。

続々と、乗組員が艦尾からヤマトに乗艦中。

艦尾を登りきった所で、古代雪が乗艦の様子を見守っている。

最後の乗組員が乗艦したタイミングで、土方さんが古代雪の所に来る。

古代雪が、土方さんに向かって敬礼した後、

古代雪:「欠員無しですが、招集外の方が1名乗艦しました

土方さん:「誰だ?」

古代雪:「徳川彦左衛門退役1佐です

土方さん:「なに、徳川さんが!!」

古代雪:「多分、機関室にいらっしゃると思います」

 

第七幕場面転換その7

 

時は上記の直後。場所は機関室。

機関科メンバーと談笑している徳川さん(山崎さんは第一艦橋にいるのでここには

不在)。

慌てて土方さんがドアを開け、入って来る。

徳川さん:「艦長、この老いぼれも使ってくださらんかな?」

土方さん:「よく来てくれた。ありがたい。復役については、俺から藤堂長官と山南に報告しておく。艦隊の正式な役職ではないが、現時刻をもって、名誉機関長に任命する。山崎くんを支えてやってくれ」

 

第七幕ラストシーン

 

時は出港直前。場所は第一艦橋。

すでに、お馴染みの第一艦橋メンバーが、所定の席に座って、出港準備に入って

いる。新しくテレサ用の席が艦長席の隣に設置されている。テレサの普段の居場所は中央電算室だが、第一艦橋に上がる時はこの席に座る。

今回の航海では、岬は船務科のシフトには入っておらず、加藤真琴の代わりに

衛生士として勤務する。普段の居場所は医務室。

岬の代わりに、2199の最終話で、沢村・林と一緒に3人で古代守の幽霊の話をしていた黄色い制服・オレンジ色リボンの女の子が船務科のシフトに入る。名前は柏木紗香(かしわぎ さやか)で階級は2尉。

土方さんが、機関室から上がって来る。

第一艦橋メンバー全員が起立して、土方さんに向かって敬礼(くどいようだが、敬礼の仕方は2199と同じ)。土方さんも敬礼。その後、艦長席に着席。

 

土方さん:「山崎くん、徳川さんが乗艦してくれた。名誉機関長に任命したので、

困った時には遠慮なく相談したまえ。ただし、機関長はあくまで君だ。

徳川さんがそうだったように、決断は必ず君がすること」

山崎さん:「はい」

土方さん:「真田くん、出港準備状況を報告してくれ」

真田さん:「各部点検は完了しました。現在、波動エンジンの最初の起動のために、極東管区全域から電力供給を始めてもらっています」

土方さん:「相原、藤堂長官につなげ」

相原:「藤堂長官につなぎます」

ヤマトの大パネルに、藤堂長官と山南さんが映る(場所は、地球防衛艦隊指令本部

作戦室)。極東管区全域はすでに停電しているので、作戦室には赤っぽい非常灯が

ともっている。

土方さん:「徳川前機関長が乗艦してくれた。山南、徳川さんの復役手続きをして

おいてくれ」

山南さん:「了解しました。徳川さんが駆けつけてくれましたか。心強いですね」

土方さん:「電力供給の見通しはどうなっているか?」

藤堂さん:「地球復興がかなり進んだおかげで、今回は極東管区だけで必要な電力を送れるはずだ」

山崎さん:「電力来ました!! エネルギー充填30%、50%、70%、100%、120% エネルギー充填問題ありません」

土方さん:「太田、ドックに注水開始」

太田:「注水、開始します」

ドック注水中の映像を流す。

太田:「水面、第二艦橋を越えました。(少し間を置いて)第一艦橋を越えました。(少し間を置いて)ヤマト、完全に水没。(少し間を置いて)ドック内、海水で満たされました」

土方さん:「ドックゲート、開け」

太田:「ドックゲート、開きます」

ドックゲートが開く映像を入れる。

土方さん:「島、補助エンジン起動」

島:「補助エンジン、起動します」

山崎さん:「フライホイール回転数上昇中。フライホイール接続」

土方さん:「抜錨、ヤマト発進。発進後は微速前進」

島:「抜錨、ヤマト発進します」

島:「微速前進。ヤマト、ドックゲートを通過。海中に出ます」

島:「海中を安定潜行中。海面ジャンプのため、徐々に増速します。

アップトゥリム10...20...30。浮上角度これで固定します」

古代雪:「海面まで500メートル。秒読み始めます。5、4、3、2、1、浮上」

島:「メインエンジン点火。海面ジャンプします」

有名な「さらばヤマト」の発進シーンを入れる。

大気圏内をグングン上昇するヤマト。

島:「安定翼、開きます」

古代進:「(独白で)必ず帰って来るからな」

安定翼を開きながら、大気圏離脱中のヤマトを正面から捉え、背景に青い地球が

映っている映像で第七幕終了。