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ご高齢になると、気力が落ちてきたり

 

体力がなくなったりしますよね。

 

このように、加齢によって

 

身体と心の活力が低下した状態のことを

 

フレイルと言います(Friedらによる定義)。

 

 

 

具体的には

 

筋肉の減少・肺活量の低下といった「身体的な衰え」

 

記憶力の低下・気分的なうつといった「精神・心理的な衰え」

 

社会的な孤立・経済力の不足・引きこもりといった「社会的な衰え」の

 

3つ挙げられます。

 

 

 

 

 

 

これらはそれぞれ

 

「身体的フレイル」

 

「精神・心理的フレイル」

 

「社会的フレイル」と呼ばれます。

 

 

 

 

 

 

また、後期高齢者の方は

 

前期高齢者の方(65歳~74歳)と比べて

 

フレイルの進行が顕著になるといわれています。

 

フレイルはこの3つの

 

「身体的フレイル」「精神・心理的フレイル」「社会的フレイル」が

 

互いに影響し合って発症・悪化するとされています。






例えば、加齢によって食欲が低下すると低栄養状態になってしまい

 

その結果、筋量が減少します(身体的フレイル)。

 

すると、筋力・体力に加えて歩行する能力が低下し

 

外出する気力がなくなってしまうので(精神・心理的フレイル)

 

その結果

 

引きこもりがちになる(社会的フレイル)というような関係です。

 

 

 

 



フレイルは健康な状態と要介護の状態の中間に位置しています。

 

多くの方の場合はフレイルを経て要介護状態になります。

 

要介護の手前の「フレイル」をいち早く見つけるため

 

国は2020年、15項目の質問に答える

 

「フレイル健診」を75歳以上の後期高齢者の方を対象に導入しました。

 

今回は主な質問項目の医学的な意味をご説明しますね。

 

 

 

 

 

フレイル健診で使用される「後期高齢者の質問票」

新たな質問票は

 

高齢者の健康状態を総合的に把握できるよう

 

「健康状態」

「心の健康状態」

「食習慣」

「口腔機能」

「体重変化」

「運動・転倒」

「認知機能」

「喫煙」

「社会参加」

「ソーシャルサポート」で構成されています。






質問は15項目で

 

あり方検討WGの資料や

 

日本転倒予防学会監修の「認知症者の転倒予防とリスクマネジメント第2版」といった

 

これまでのエビデンスを生かしつつ

 

保健事業・回答者の負担を考慮して作られました。

 

 

 

 

 

 

厚生労働省が公表している

 

資料_別紙1_後期高齢者の質問票の解説と留意事項」には

 

質問文に関する解説が記載されています。

 

以下サイトからの引用です。一部改変あります。

 

<質問票の内容について> 

 

健康状態

1 :あなたの現在の健康状態はいかがですか 

  ①よい ②まあよい ③ふつう ④あまりよくない ⑤よくない 

 

心の健康状態

2 :毎日の生活に満足していますか 

  ①満足 ②やや満足 ③やや不満 ④不満 

 

食習慣 

3: 1日3食きちんと食べていますか 

  ①はい  ②いいえ 

 

口腔機能

4 :半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか ※さきいか、たくあんなど

   ①はい  ②いいえ

 

5 :お茶や汁物等でむせることがありますか 

  ①はい  ②いいえ 

 

体重変化 

6 :6カ月間で2~3kg以上の体重減少がありましたか 

  ①はい  ②いいえ 

 

運動・転倒

7 :以前に比べて歩く速度が遅くなってきたと思いますか 

  ①はい  ②いいえ 

 

8 :この1年間に転んだことがありますか 

  ①はい  ②いいえ 

 

9 ウォーキング等の運動を週に1回以上していますか

  ①はい  ②いいえ 

 

認知機能

10 :周りの人から「いつも同じことを聞く」などの物忘れがあると言われていますか 

  ①はい  ②いいえ 

 

11 :今日が何月何日かわからない時がありますか 

  ①はい  ②いいえ 

 

喫煙 

12 :あなたはたばこを吸いますか

  ①吸っている ②吸っていない ③やめた 

 

社会参加

13 :週に1回以上は外出していますか 

  ①はい  ②いいえ 

 

14 ふだんから家族や友人と付き合いがありますか 

  ①はい  ②いいえ

 

ソーシャルサポート 

15 :体調が悪いときに、身近に相談できる人がいますか 

  ①はい  ②いいえ

 

 

 

 

 

人間にとって

 

「食べる」「動く」「考える」の3つは生きるための基本的な機能です。

 

質問票はそれらを中心に構成されていて

 

かかりつけ医でも気づきにくい心身の変化に気付くきっかけになります。

 

 

 

 

食べる

まず「食べる」では

 

欠食等による、低栄養のリスクを

 

「1日3食きちんと食べていますか」という質問で確認します。

 

そして、かむ力を

 

「半年前に比べて硬いものが食べにくくなりましたか」

 

という質問で調べます。

 

 

 

 

 

 

肉や根菜類を含むバランスの良い食事を続けて

 

低栄養になるのを防ぐには

 

硬めのものも食べられる必要があるからです。

 

 

 

 

 

 

「お茶や汁物等でむせることがありますか」は

 

のみ込む力を確認します。

 

飲み込む力が低下すると

 

飲み物などが気管に入り込む誤嚥を起こしやすくなるので

 

肺炎になるリスクが推測できます。

 

 

 

 

 

 

運動

「運動を週に1回以上していますか」は

 

「動く」に関連した運動習慣に関する質問です。

 

住まいや身近なご家族の状況

 

病気などで運動できない状態になっていないかを探ります。

 

 

 

 

 

 

考える

 

「今日が何月何日かわからない時がありますか」などの質問で

 

「考える」では認知症の兆候を確かめます。

 

今日が9月の5日か6日のどっちか迷うくらいなら大丈夫ですが

 

「9月だったかな?…」という状態であれば問題です。

 

 

 

 

 

 

足の筋肉量のセルフチェックも

フレイルとの関連で

 

筋力も減少し始める症状を「サルコペニア」といいますが

 

サルコペニアの早期発見に適した

 

簡単なセルフチェック「指輪っかテスト」をご紹介します。

 

両手の親指と人差し指で指輪っかを作り

 

ふくらはぎの最も太い部分に当ててみます。

 

この時に隙間ができてしまった人は要注意です。

 

日常生活の活動量の減少とともに

 

下半身の筋肉も落ちているということです。

 

 

 

 

 

 

どこででも気軽にできるので

 

ぜひ「指輪っかテスト」で自身の筋肉量をチェックしてみてください。

 

「指輪っかテスト」

❶両手の親指と人差し指で「指輪っか」を作ります。

❷ふくらはぎの最も太い部分に当ててみます。

●両手の人差し指が付かず、囲めない場合→サルコペニアの可能性は低い

●両手の人差し指が付き、ちょうど囲める→サルコペニアの可能性は普通

●両手の人差し指が付き、ふくらはぎの間に隙間ができる→サルコペニアの可能性は高い

 

フレイル健診の質問票は、フレイルにならないために

 

注意したいポイントが整理されていますので

 

健診のときだけでなく

 

日頃から質問票を意識することでフレイル予防になり

 

介護予防につながります。

 

気になる項目があれば、かかりつけ医にご相談くださいね。

 

 

 

 

老年期、終末期に関する記事です。

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