中学受験とはあまり関係がないのですが、千葉県内の学校が存亡の危機にあるというニュースが気になったので、取り上げます。

 

千葉科学大学が存続の危機にあり、大学の「公立化」を求めているといいます。

 

 

千葉県育ちの筆者であっても「千葉科学大学」と聞いて、はてそんな大学あったろうか?という感じですが、

どこにあるかとしらべたら、なんと銚子市にあるではないですか!

なんでそんな場所に大学を作ってしまったのだろうか?

 

ニュースによれば、2004年に銚子市が77億円も助成をして、「加計学園」を誘致して大学を設置したのだと。

うーむ、安倍政権時代に、メディアに政権批判の材料にさんざんに使われた岡山の「加計学園」が千葉県にも来ていたとは!

 

「科学」というからには、なんの学問分野なのかとみると「薬学部」「看護学部」「危機感理学部」の3学部。うむむ?医療系のようなだが、危機管理学部とは何を学ぶのか?なぜ名称が「科学」なのか?疑問が次々湧いてしまいます。

 

今年度入学者数は募集定員490名に対して47%の228名だそうです。定員の47%。。。厳しい。。

経営状況はというと8年連続の赤字。。。。

 

銚子といえば、水揚げ高日本一を誇る漁港で有名なのですが、人口減少と街の衰退になんとかしようと施策を打ったのでしょうが、銚子に大学を作っても、学生が集まるとは思えません。だって遠いんですもん、通学できません。電車も線路があってもたまにしか通らないから生活の移動手段としてあまり使われない。県内なのに銚子まで行くのは旅行にいくようなかんじです。

 

東京駅からの同心円図を描いてみると銚子がいかに東京から遠いかわかります。

銚子は東京から100キロ圏です。東京駅から宇都宮、高崎、富士山と大体同じくらいの距離です。人口の多い千葉県北西部から行くのでも遠くて、通学できません。

 

千葉県の人口分布も調べてみたのですが、千葉県の人口620万人のうち、東京から40キロ圏(青の円)の内に500万人が住んでいます。後の広大な土地は田畑と森林が広がっています。銚子はその東のはし、先端部の町です。

銚子が衰退するのを見るのは県民としてもつらいですが、この学校を存続させても負担に見合う効果があるのか懐疑的にならざるを得ないですね。元々地理的には不利な場所です。銚子の地の利は、なんといっても国内最大級の漁場。そこからつながる水産加工業の集積。それをもっと派生させて魚料理食文化の追求とか船舶関係とか、銚子の持っているイメージを膨らませる中に地域存続の道があると思うのですが。