過去の話です
「自分では手に負えない。育てることに疲れた。
今まで1度も愛したことはない」
ともう一度私に言いました。
これ以上何も言うな
と言われているようでした
でも、意を決して、
「Hくんを私に預けるってのはどうかな?」
と聞きました。
それだったらHくんは
小学校を変わる必要はないのです
3年生の担任の先生は若い男性で、
どうも正職員ではないようでした。
あまり熱心さを感じられなかったのですが、
Hくんママの話からすると
校長先生や相談員の先生がとても親身に
かなり必死にHくんの施設入所を
引き留めてくれていたそうです。
荒れていたHくんのことを学校の先生方は
私の想像以上に心配していたようです
それに発達障がいを持っている子は
環境の変化が苦手なことが多いし、
施設は上の子からのイジメがある可能性も高いし、
施設よりも環境の変化が無く、
同じ小学校に通える里親の方が良いのでは?
と思い、とっさに口に出してしまいました
発達障害ではなく愛着障害の可能性も高いですが…
Hくんとすずは同じ歳で異性です。
急に私が引き取って育てるということは
周りもおかしく思うでしょう。
家の造りも古くて狭いので
異性の里子を引き取る余裕はありません
Hくんの今の状況を考えると
施設に入るのはしんどいのでは?
それに、まだ3年生なので
住宅環境はおいおい変えていったら良いし
と頭の中をグルグル駆け巡ります。
「同じ小学校の同級生の異性の家で
Hくんが里子になるのが嫌なら、
他の里親さんでもいいと思う。
越境通学もできるはず。
私の知り合いの里親さんは
皆んな良い人ばかりやし。
考えてみない?」
と聞いたら少しはHくんママの顔は
迷ったように見えましたが、
すぐに口から出たのは
「里親ってお金欲しいからやってるんやろ?」
って言葉でした
「そんなことないよ
皆んな良い人ばかりやし、
お金より子どものことを
いちばんに考えてる人が多いよ」
と言いましたが、でも再度
「里親はイヤ子どもを取られる
それにもう、施設入所は決まってるから」
と言われてしまいました。
Hくんを育てるのはイヤやけど、
Hくんが里親に懐くのもイヤなんやろなぁ…
つづく…