今回はBリーグから開幕前総評第4弾の川崎ブレイブサンダース編。
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川崎は昨季優勝も狙えるメンバーだったと思うが、相手主力に怪我人が出ていた千葉戦と栃木戦での連敗など勝つべき試合を尽く落として初めてプレイオフを逃すなどファジーカス最後のシーズンで最低成績を残すことになった。
そんな川崎はファジーカス引退だけに留まらず藤井とヒースも退団するなど主力がごっそり抜けて戦力低下を不安視していたが、3人ともかなり高いサラリーを貰っていた可能性が高いことから抜けた分で浮いたサラリーを使って穴埋めするような補強をするものと思っていた。
特に川崎は以前から述べているように他の同予算帯のチームと比べて外国人選手にはあまりサラリーを充てていないと思われる選手の獲得が多かったこともあり、チームトップクラスのサラリーであろう3人が抜ける今オフこそは外国人選手にお金をかけて良い選手や高ランク選手を引っ張ることとを期待していた。
HCもずっと変わって欲しいと思っていた佐藤HCが退任してギンズブルグHCの就任でファジーカス喪失をひっくり返すような新しい川崎へのワクワク感は更に高まっていた。
しかし、今オフの川崎は想定を下回る編成で個人的にはワクワク感が薄れるロスターとなった。
実際に川崎のロスターについて順に見ていくと、まずPGは篠山が継続して小針と柏倉が加入。
攻守で大きな影響を与えていた藤井の退団は大ダメージであり、日本人選手の補強が難しいリーグになっている昨今から予想していた通り藤井の抜けたPG層をカバーするような補強は出来ずに大きなグレードダウンとなった。
SGは野崎と益子が継続してアジア枠でライトが加入。
高確率でシュートを決めていた野崎、益子が残留した上に得点力あるライトの加入でSGは強化されたと感じる。
SFは飯田と長谷川が残留。
長谷川も飯田も良い選手であるが、増田とウィンブッシュが退団して枚数が減った上にジョンソンとアレンをSF起用するには鎌田を出さなければならないので2人がSF起用される可能性は少ないと見る。
仮に2人のSF起用があったとしても逆に鎌田の所でミスマッチを作られてプラスにならなそうなことからSFは弱体化したポジションかと思う。
PFは鎌田とアレンが残留してジョンソンが新加入。
バックアップで残しておきたい鎌田と昨季大活躍していたアレンの残留は分かるが、ジョンソン獲得は意外だった。
ジョンソンは得点力高いフォワードでドライブとトランジションでのプッシュ力とフィニッシュ力が特に強力。
ドライブの瞬発力ではアレンの方が上だと思うが、ドリブルスキルではジョンソンの方が高いと思うのでアレンとは違ったドライブを仕掛けて来るのはディフェンス側の対応が難しい部分かもしれない。
トランジションでも自らプッシュしてフィニッシュまで持っていくのが得意なのでハイペースを掲げるギンズブルグHCのバスケではオールコートでより威力を発揮してくれそう。
ポストプレイでも得点出来るが、ハーフコートではドライブが最大の武器なのでマッチアップの関係的にもミスマッチ以外でポストプレイが多くなることはないと見ている。
シュートは苦手でアテンプトも少なければ確率も低く、FTも6割と7割を行き来して上手いわけではないが、ヒースよりは上手い。
アシストも出来るのでカットしてくるアレンとのコンビプレイも見られそう。
TOはGリーグで多かったところから韓国では大幅に減らしているが、オンボールでのプレイが多くなるであろうことやスペーシングの関係で多めになるかもしれなく、TOが非常に少なかったヒースよりは確実に増えるだろう。
リバウンドは攻守ともに非常に強い選手なので帰化選手がいてもリバウンドが強くはなかった川崎には有難い部分かと思う。
特にDRからはそのままCTCで得点に繋げることも可能なのでアレンとともにハイペースに買ってくれそう。
ディフェンスではペリメーターディフェンスが非常に優秀な選手であるが、ペリメーターも守れてリムプロテクターとしても優秀だったヒースと比較するとインサイドのディフェンスで若干見劣りするかもしれない。
総合的に見て強力な選手なことには間違いないが、昨季の編成ならともかくファジーカスがいなくなってアジア枠をバックコートに宛てた今季において既にアレンがいるのにフォワードをもう1枚獲得するのは意外であり、チャレンジングとも感じる。
アレンとジョンソンでインサイドをどう守っていくか興味深い部分でもあるので注目したい。
PF層に話を戻すと、得点力は間違いなく今季の方が上だが、ディフェンス面やオフェンスのバランス的にはヒースがいた昨季の方が良いと思うので同等くらいで考えたい。
最後にCはジョーンズが新加入。
ジョーンズは得点力あるビッグマンでフェイスアップとバックダウンどちらでも得点出来るのが強み。
ビッグマンながらドライブがメインオプションの1つでチャンスがあればガンガン仕掛けてくる。
サイズのミスマッチがあればポストプレイからフィニッシュまで持っていく。
ダイブやポジショニングによるC&Fでも得点が可能であるが、藤井やファジーカスがいなくなったチームなのでオンボールでのプレイが中心になるかもしれない。
トランジションにも参加可能な点はファジーカスにない強みである。
川崎公式ではシュートエリアが広く3Pまで決められるとあるが、シュートのアテンプトは少なく確率的にも3Pが高確率だったのは昨季のみでシュートの優先度は低い選手だと思っていたので個人的に持っていた選手像とズレのある部分は気になる。
FTは積極的なアタックから貰える選手であるがシーズン7割以上で決めたことはなく、FTが苦手な選手でFTを確実な得点源にしていたファジーカスとは大きく異なる。
TOは個数は多めだが割合的には昨季15%を切っておりファジーカスと同等レベルだが日本では増える可能性も高いと見ている。
リバウンドはORが非常に強く、近年の川崎と違ってORが増えそうである。
ディフェンス面ではウイングスパンの長さを活かしてショットブロッカーとして各国で活躍しており、ヘルプからのブロックが上手い。
ポストディフェンス、ペリメーターディフェンスともに評価が高いわけではないが、ファジーカスとの比較ならばどちらもジョーンズが上なのでチーム的にはディフェンス面でファジーカスよりプラスになる部分かと思う。
Cの層的には今季もアレンが回ってくることを考えても昨季はアレン、ファジーカス、ヒースで回せた部分から薄くなったように感じる。
チーム全体で見てもジョンソンもジョーンズも良い選手であるが、藤井のカバーが出来ていないと感じる部分と外国人選手のバランスが不安要素と思えるので戦力的にはダウンと見ている。
ギンズブルグHC就任でペースはかなり上がると予想しており、トランジションバスケをするには理にかなった外国人選手編成でオールコートの展開では強さを発揮すると思うが、ハーフコートでは苦戦するかもしれない。
というのも外国人選手全員ドライブは得意だがシュートを苦手としており、シュートを高確率で決めてアテンプトも多かったファジーカスと藤井が抜けたチームでドライブするスペースを生み出せるかは怪しい。
従来の選手がアテンプトと確率をカバーするか、外国人選手にもある程度の上振れを期待して決めてもらうかしないと近年の東京のようにディフェンスが収縮して外国人選手の持ち味をハーフコートで発揮出来ないかもしれない。
ディフェンス面でも今季の外国人編成ではインサイドを狙われると思うので、帰化選手がいなくなったのにインサイドに厚みを持たせなかったのも個人的には不安要素と感じる。
そういう意味でアレンがいるチームにジョンソンとジョーンズを組み込んだのは意外であり、もっと言うと長崎の外国人選手予想記事でも述べたように今季の川崎ロスターが昨季のチームと同等の予算とは思えず、今季の外国人選手編成はランク的な意味でもバランス的な意味でも予想外だった。
とは言え、こちらが勝手にプレイオフは厳しいそうと期待値を下げているだけなので逆にこのロスターで東京と名古屋が入った最激戦の中地区を勝ち抜いてプレイオフに進出するようなら面白い。
メンバー的に難しいと思っているインサイドのディフェンスとハーフコートのスペーシングがどうなるか特に注目したい。
個人的注目選手は新加入のジョンソン。
先述したようにドライブ、トランジション、リバウンドが強力なフォワードで実力は間違いない選手。
今季初来日の外国人選手の中でも上位の選手だと思っており、ハーフコートでは100%の実力を発揮できないかもしれないが、アレンとトランジションからガンガン得点するのを想像すると非常にワクワクする。
得点力ある外国人選手が揃った中でジョンソンが何番目のスコアラーになるかも注目したい。
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