近頃は、毎朝ブログを更新しているし、ギターの練習も有るので、滅多に家の前で立っていることは無い。買い物に出かける時は、さっさとショッピングカートを引いて足早にスーパーに向かうので、ご近所さんとはあまり出会わない暮らしである。

 

 ところが先日知人に出会った。丁度ギター教室に行くためにギターケースを背中に背負って歩いて行くと、外科病院からM夫人が出てくるところにばったり会ってしまったのである。どうやら診察の帰りらしい。私は軽く会釈をしたが、先方はギョッとしている、私が大きなケースを背負っていたからだろうか。そのまま行き過ごしたが、どっと汗が噴き出した。帰宅後、夫に「今朝は一番会いたくない人に出会った」と言うと「Mさんか?」と見事に当てたのには笑ってしまった。よもや、我が家でこんな会話が為されていると知ったら仰天するだろう。

 

 彼女は、町内の放送局と噂されているらしいが、何も私が言っているわけではない。この地に越してきて、M夫人の夫と親しい男性から聞いたのである。夫同士は親しいのにそんなことを言うのが不思議だが、その男性は苦々しそうに言っていた。自分の家庭内の事でも噂されたのだろうか。

 

 そのM夫人だが、ある時から私の顔を見ると、韓国、韓国と連呼する。どうやら私が韓国人と知って、色々探りを入れに来ているらしいが、勿論私は何も言わない、とおり一辺の挨拶をするだけである。そのM夫人の夫と私の夫は気が合うのか親しくなって、夫が癌で入院した時にお金で見舞いを頂いたが、その時彼女は「お返しは商品券で」と言うのには驚いた。確かに不要な品物を貰うのもなんだしと思うが、そうはっきり言われてもと、引いてしまった。

 韓国、韓国と連呼するが、さほど悪意は感じられない。私に興味があるようでもあるが、どうだろう?

 

 昨日は、買い物に出かけようとして家を出たところで、B夫人と目が合ったので、少し立ち話をしたが「ひなたで話をしていると、陽に焼けるよ」なんて言う。「本当に色が白いのだから」と、この部分は、あんたは韓国人だと知っているよ、という隠喩、即ち遠回しに言っているわけである。

 私が韓国人だというのが、そんなに気になるのだろうか。この二人に共通しているのは、はっきり指摘しない事だろう。ちょと遠慮気味だが、それでも言いたくて仕方が無いと言ったところだろうか。

「ごめんね、出かけるところなのに話しかけて、陽に焼けて白い肌が黒くならないかと心配したわ」と言いながら、B夫人は去って行くのであった、チャンチャン♪。

 言われるほど、私は色は白くない、年齢相応にくすんだ肌をしているのだ。シミや皺もあるのだが、B夫人はお世辞を言ってくれているのだと、いい風に受け止めよう!