千里セルシーシアター閉館 | un piquillo de amarillo

un piquillo de amarillo

リーガ・エスパニョーラのサッカークラブ、ビジャレアルCFの歩みの記録

千里ニュータウン(千里中央)にある千里セルシーシアターが2014年8月31日で閉館します。先日、初めてこの名画座で映画を観ました。

4-5年ほど前に自転車で千里ニュータウンをうろついた折、偶然この映画館を発見して驚いた記憶があります。飲食店が集まる複合商業施設地階の、パチンコ店の向かいにあるのです。この商業施設の開店は1972年。開店当初から地階中心部にパチンコ店が存在するのですが、当時の都市計画担当者や経営者は何を考えてパチンコ店をテナントに組み込んだのでしょうか。洋食店やカフェの隣にパチンコ店があっていいのだろうか。


閉館間際ということで、観客には日東紅茶のティーバッグ10袋入のプレゼントが。カメラを持ってロビーに入ったら支配人さんが近づいてきて、「上映中は絶対に撮らないでください。本当なら上映中は私がカメラを預かっておきたいくらいです。云々。」ということを言われました。私が持っていたのはコンデジではなくデジタル一眼レフです。どこにデジタル一眼レフで映画を盗撮する人間がいるのでしょうか。暗に「ロビーで写真を撮るな」と言いたいのだと解釈しましたが、映画を観る前に興ざめしてしまいました。

複合商業施設内の名画座ということもあり、通常のミニシアターより顕著に年配女性の比率が高かった。私のような若者は明らかに浮いていたのですが、そのせいでしょうか。


上映中には、スクリーン脇の「禁煙」・「非常口」のランプが常に光っていました。また、ロビーから漏れた光による場内の明るさに驚きました。女子トイレに向かう客席全部の扉からは2度ほど観客の出入りがあって気になりました。シートは堅くて背もたれが低く、頭を低くするのに気を使いました。スクリーンは光量不足で暗く、スピーカーの位置の悪さも気になりました。

このように、アメニティは良くも悪くも1970年代レベル。元々この商業施設に映画館を設置する予定はなかったらしく、よく42年も営業を続けられたものだと思います。普段は映画館の環境には無頓着ですが、この映画館に来たことで普段行くシネコンやミニシアターのレベルの高さを実感してしまいました。このような映画館には名古屋シネマテークや京都みなみ会館で慣れていたはずなのですが。

最終日8月31日の最終上映作品は『最強のふたり』(2011年・フランス)。上映が続けられたとしてももう一度訪れることはないと思いましたが、上映している映画のセレクトは良く、閉館となるのは残念です。


千里
北摂ナビによる千里セルシーシアターの写真