バッカとルセスクの2013-14シーズン | un piquillo de amarillo

un piquillo de amarillo

リーガ・エスパニョーラのサッカークラブ、ビジャレアルCFの歩みの記録

2013年夏のセビージャ
2013年夏、セビージャは前線の選手を大きく入れ替えました。クラブの財政難が報じられ、エースのネグレドの退団が確実視されていたからです。

・6月中旬、移籍金200万ユーロでルーマニア・リーグ得点王のラウル・ルセスクを獲得
・7月上旬、移籍金700万ユーロでベルギー・リーグ得点王のカルロス・バッカを獲得
・7月中旬、ネグレドの放出決定
・7月下旬、移籍金1000万ユーロでパリ・サンジェルマンからケヴィン・ガメイロを獲得

時系列に並べるとこのとおり。獲得した3人はいずれも5年契約を結んでいます。

獲得の本命候補がバッカとガメイロで、このうち最低1人、あわよくば2人ともの獲得を狙っていたのだと思います。バッカとガメイロの交渉が失敗しても困らないための保険として、一番先にルセスクを安価で獲得しておいたのでしょう。

2013年夏セビージャFWの変化


2013-14シーズンのルセスク
リーグ開幕前にはルセスクのことが知りたくて、You Tubeにアップされていた2012-13シーズンのルーマニア・リーグ全得点(25得点)のハイライトを観ました。

マークを外しながらするするとバイタルエリアに走り込み、サイドからのグラウンダークロスを狙い済ましてゴールに流し込むのが巧い選手です。昨シーズンの25得点中半分くらいはそのパターンで、個人突破で奪った得点、ゴラッソと呼べる得点はわずかでした。

セビージャのレギュラーは厳しいが、控えの1・2番手には申し分ないかと思っていました。セビージャにとっては保険的意味合いの獲得であっても、ルセスクにとっては強豪リーグ初進出で実力を見せつける良い機会でした。


ところが、ルセスクは2013-14シーズン前半戦の出場機会はわずか1試合7分。ほとんどの試合ではベンチにも入っていません。前年度はルーマニア・リーグで得点王となりましたが、リーガ・エスパニョーラでは完全な戦力外扱いでした。

そこで2014年1月、ルセスクはポルトガル・リーグのブラガにローン移籍します。初戦で2得点して華々しくデビューすると、シーズン終盤までに6得点を挙げています。

2013-14セビージャFWの成績


今後のルセスク
3月時点のルーマニアメディアの報道によると、

「セビージャは完全移籍でルセスクを売却したい」
「ブラガは完全移籍で獲得したいが、移籍金300万ユーロは高すぎる」
「ローマが狙っている(本当か?)」
「母国のアストラ・ジュルジュも狙っている」

とのことです。

5年の長期契約で獲得した選手に半年で見切りをつけるセビージャの態度が謎ですが、エメリ監督やクラブを怒らせるような言動をしたのでしょうか。

バッカは他クラブに狙われる存在になったため、バッカが移籍した際にはルセスクの存在が(結局保険ではあるが)効いてくると思うのですが・・・。

ラウル・ルセスク
(ステアウア時代のルセスク)

ベルギー・リーグとルーマニア・リーグ
ロメル・ルカク(10-11得点王)はプレミアリーグで活躍し、ジェレミー・ペルベ(11-12得点王)はビジャレアルで結果を残し、バッカ(12-13得点王)は前エースのネグレドと遜色ない活躍をしています。

強豪リーグではベルギー・リーグ得点王の株が上昇中で、ミヒー・バチュアイ(13-14得点ランク2位)をアーセナルが狙うのも理解できます。


一方、2000年代半ば以降のルーマニア・リーグ得点王は、4大リーグに2シーズン在籍し続けた選手すらいません。わずか数シーズン前、ルーマニア・リーグはUEFAランキング7位に位置していましたが、この数シーズンは下落が止まりません。

ストライカータイプの選手の輩出に苦労しているのは日本も同じだけに、ルセスクにはリーガで再チャレンジしてほしいのですが・・・。