横波と縦波という名前が理解できないという質問を受けました。


物理では下図のように定義されます。

波の進行方向が図に向かって右方向です。横波は進行方向に垂直に媒質が振動します。縦波は進行方向と平行に媒質が振動しますので図では点の密度が大きい所と小さい所が規則的に交互に入れ替わっていきます。(カタツムリがガラスの上を進むときに裏側から見たような動きです)

ところが文系の「ある生徒」にはこのような図を見ると横波は媒質が縦に動くので縦波、縦波の方は媒質が横に動くので横波ではないかと思われるので定義がおかしいというのです。

そこで私はこう言いました。「進行方向が今のように横向きならそう見えるけれど進行方向が上だった場合や斜めだった場合はどういう名前を考えればよいと思いますか?」

生徒無言。

私に質問したその生徒の周りの一部の生徒はそう思っていたようです。こういうのはこれまでに無かった質問で驚きました。

理系の生徒は『定義』と言うと普遍的な概念だと理解しているので進行方向を色々な場合に想定して正しい場合しか納得しません。無意識のうちに自分の中で一度普遍性を確認しているわけです。ですから、今回のような質問はこれまでありませんでした。

今後文系の高校生に物理を教えて行く時、教育の効果を上げるためには『普遍性』という理系には当たり前すぎて特に意識していないことも気をつけながらいろいろな例をあげて説明する必要があると感じました。


(もしかしたら、これまでも理系生徒にそんな勘違いはたくさんあったのかもしれませんけどね)



横波と縦波