冷え込みが一段と厳しい今年の冬は、ポリタンクの結露が相次いだそうだ。

ポリタンク内に隙間が多いと、冷え込んだ朝晩に隙間の水分が凝固。

凝固した水分はやがて水滴となり、ポリタンク内に蓄積する。

灯油に水が混ざった結果、ストーブが動かなくなったというトラブルが続出している。

冬に悩まされる結露の問題だが、暖房の妨げ、家の老朽化など、様々な問題に関係している。

●窓の結露

一枚サッシの場合、冬は窓部分が凍ったり、アルミ枠部分に氷柱ができたりする事がある。

一枚サッシでは、冬はスタイロフォームやプチプチのビニールシートを貼るなどの

対策によって、断熱性が向上する。

ホームセンターで売られているプチプチは、-10℃まで下がっても凍る事がなく、

結露で大量に発生していた水への対策が殆ど要らなくなった。

窓が結露したり凍ったりするのは、部屋の暖気か冷やされている証拠であり、

電気・灯油代の節約の為に、優先的に対策すべき問題だ。

水貼りのものが一般的だが、長寿で紫外線もカットする粘着式のものもある。

夏の冷房代の節約にもなるが、エアコンのない部屋だと、

閉め切るとビニールハウスのように逆に暑くなる恐れがある。

●他人事ではない「壁内結露」の恐怖

オイルショックが起こった1970年代、北海道では灯油を節約する為に、

断熱性を上げる為に、壁一杯に断熱材のグラスウールを詰め込んだ。

しかし、断熱材が結露し、土台や柱が腐るといったトラブルが多発した。

どうしてだろう。

実は、家の中で発生した水蒸気が壁の中に入り込み、

それが外との温度差で結露を起こしたのだ。

断熱材の取り付け方を間違うと、断熱どころか、

命を奪いかねない問題になり得るという事だ。

・断熱性と気密性の注意点

熱は空気と共に移動するので、断熱材本来の役割を果たすには、

断熱材は隙間がないように詰める必要がある。

そして、気密施行する事によって、内壁からの水蒸気の侵入を遮断。

内側、外側からも気密施行で断熱材を結露から守った上で、

通気工法によって壁内の水蒸気を排出する必要がある。

http://aki-factory.com/archives/536

http://aki-factory.com/archives/536

●高気密の危険性

高気密高断熱住宅は省エネで冷暖房費も節約できるが、以下のようなデメリットがある。

・換気が必要である

高気密という事は、必然的に密閉状態に近い状態にある。

その為、24時間換気しなければいけないという、変な状況が発生している。

勿論、低気密よりも効率的に換気できるように設計されている。

・熱気が籠る

夏はキッチンから発生した熱気が籠り易い。

・乾燥する

高気密住宅ではファンヒーターが使えない。

したがって、暖房はFF式ストーブやエアコンとなる為、乾燥してしまう。

FF式の反射式ストーブの場合、上にやかんや土鍋を置けば、加湿器代わりにもなる。

しかし、危険性もあるので使い方は説明書に従う事。

http://aki-factory.com/archives/1625

●まとめ

このように、高気密高断熱住宅は手間が掛かる為、かなり大きな投資が必要だと言える。

エアコンの普及により、より省エネルギーなエアコンや住宅が求められている。

しかし、高気密の代償として、乾燥によるインフルエンザの危険性も高まり、

加湿器や空気清浄機の開発競争にも繋がっている。

このように、不便が便利の付き物になるという状況が発生している。

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冬の結露と、断熱・気密の関係