本人が施設へ入所する場合の保佐人の仕事 | 司法書士事務所尼崎リーガルオフィスのブログ

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高齢の文子さんは、各種在宅サービスを受けながら、賃貸マンションで一人暮らしをしています。


先日、階段から転落して足を骨折してしまったため、介護老人保健施設への入所を考えています。
この場合、施設を探すところから各種在宅サービスの解約手続き、マンションの解約の検討など、やるべきことがたくさんあります



文子さんには田中さんという保佐人がついています。
この事務全般について、保佐人である田中さんが行わなければならないのでしょうか?
また、その他にも保佐人がやるべき身上監護としてどのような仕事があるのでしょうか?



まず、これからしなければならないことは、次のようなことがあります。


介護老人保健施設の入所契約
各種在宅サービス契約の解約
③ (今後、文子さんがマンションへ戻ることができない場合)

 マンションの賃貸借契約の解約


田中さんが保佐人として行う職務は、上記の法律行為について、代理権が付与されていなければなりません。
代理権が付与されている場合は、法定代理人として①~③の法律行為を行うことができます。

ただし、マンションの賃貸借契約の解約は、居住用不動産の処分に当たるので、家庭裁判所で許可を得る必要があります。



一方、田中さんに代理権が付与されていない場合、本人の文子さんが保佐人の田中さんから助言を受けて①~③を行い、それについて田中さんは同意権を行使することになります


文子さんが自らこれらの法律行為を行えない・消極的である場合には、文子さんの同意を得て、保佐人に代理権を付与する申立を行います
また、文子さんの症状が進行し、判断能力に問題がある場合は、保佐人が後見開始審判の申立を行います。



しかし、上記①~③の事務全般について、保佐人が全て行う必要はありません。
代理権や同意権の行使は保佐人の職務ですが、施設を探す、施設への入所、マンションの明渡しなどの実際の行為を保佐人自身がする義務はありません。



文子さんの家族がいて、協力を得られるのであれば、これらの行為は家族にお願いすることもできます。
また、引越業者や産廃業者に施設への引越しやマンションの片付けなどを依頼することもできます。



さらに、その他の身上監護事項としては、次のようなものが考えられます。


・足を骨折したことで、要介護度の区分変更が生じたと思われるとき、区分変更の申請を行う


・介護老人保健施設は通常半年ほどしか入所できないため、特別養護老人ホームなど長期滞在できる施設への入所手続き


ただし、これらについても、保佐人に代理権が付与されているかどうか、本人が自ら行うことができるかどうか、文子さんの家族の協力を得られるかどうかなどを考慮する必要があります。

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