住居表示の変更があったときの相続登記 | 司法書士事務所尼崎リーガルオフィスのブログ

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山田さんのお父さんが自宅を残して亡くなりました。

お父さん(被相続人)の所有していた不動産は、相続において、お母さん(配偶者)や山田さん(子ども)などの相続人へ名義を変更する登記をします。



登記簿に書かれている登記名義人(被相続人:ここでは亡くなった山田さんのお父さん)の住所に住居表示の変更があった場合は、住んでいる場所がずっと変わっていないのにもかかわらず登記名義人の住所地と被相続人の住民票除票などに記載された住所地とが一致しません



そもそも住居表示とは、建物などの所在場所を示したもので、日本では『街区方式』という方法が一般的に採用されています。道路や河川などによって区画した街区符号と建物等に付けられる住居番号で表示されます。


昭和37年成立の住居表示に関する法律より、それまでは土地の地番を使って住所を特定していたものを、街区符号と住居番号で住所を特定するように順次変更されました。この変更の実施は行政の手続きが必要になるため、まだ実施されていない地域もあります。
例えば、『尼崎市塚口字辰巳○番地』と表示されていた場所を、『尼崎市塚口本町△丁目○番□号』と変更されるというふうにです。



この変更があった場合、登記簿上の登記名義人の住所は、住居表示の変更があったときに登記名義人住所変更登記をしていなければ、昔の『地番』での表示のままになっているので、住民票除票などの住所と(実際には変わっていないのに)違うということになります。そのため、登記簿の住所と除票の住所が一致していることを証明しなくてはなりません。



その証明として、各市町村が発行する『住居表示実施証明書』を使います。


「登記簿上の昔の住所と現在の住民票除票の住所は、自治体が住居表示の変更を行ったことによるものです」という証明になります。この証明書を登記の書類に付けることで、法務局に登記名義人と被相続人が同じ人であることがわかるようになります。