今年1月から相続税の基礎控除額が引き下げられました。
これによって課税される範囲が広がり、相続税がかかるのかどうかを心配する人が増えています。
亡くなった人の遺産にかかる相続税の課税価格が次の計算によって算出された額(基礎控除額)を超えると相続税が発生します。
法定相続人の数によって基礎控除額は変動しますが、今年1月からはこれまでと比べて4割も縮小されてしまいました。
3,000万円 + ( 600万円 × 法定相続人の数 )
配偶者と子供1人の法定相続人2人だと、基礎控除額は4,200万円
配偶者と子供2人の法定相続人3人だと、基礎控除額は4,800万円となります。
基礎控除額を超えて相続税がかかる場合には、税額はいくらになるのでしょうか。
相続税額は、遺産額の総額(課税価格)から基礎控除額を差し引いた残額をもとに計算します。
例えば、父親の遺産が6,800万円で、相続人が母親と子供2人とします。
母親が3,800万円を、子供たちはそれぞれ1,500万円を相続します。
相続人3人の場合の基礎控除額は、4,800万円なので、2,000万円に対して相続税がかかることになります。
そこでまず、相続税の総額を求めます。
相続人の3人が法定相続分に応じて財産を分けたとします。
配偶者である母親は1/2、子供たちは1/4ずつです。
とすると、母親は1,000万円、子供たちは500万円ずつに対する相続税を負担することになります。
母親:1,000万円 × 10% = 100万円
子供: 500万円 × 10% = 50万円ずつ
相続税の総額は200万円となります。
これを実際に財産を分けた割合で負担します。
母親:3,800万円 / 6,800万円 × 200万円 = 約112万円
子供:1,500万円 / 6,800万円 × 200万円 = 約44万円
しかし、配偶者には税額の軽減があり、これは法定相続分を超えても1億6,000万円までは相続税がかからないという制度です。
なので、この例では、母親の相続税負担額は0円、子供たちは44万円ずつということになります。