元日に起きた能登地震は、1月7日の時点でも、まだ全容が掴めないほど石川県民に多大な被害を与えている。死亡者の数は、連日増大している。国や地方自治体からの救援の手は差し伸べられているが、現実の必要性に程遠い。

 

被災者は飲み水に事欠くことから、手洗いにも不便している。お風呂に入ることもままならず、被災者の健康管理が大きな課題になっている。関連地方自治体の支援活動は、順次拡大されてきている。被災現場で、防災服を纏って懸命に働いている人たちには、頭の下がる思いがする。テレビ報道を通じて、どの自治体からどのような救援が行われているかを画像から判断する上で、彼ら、彼女たちの制服は便利だ。

 

一方、東京の総理官邸で行われる総理大臣以下閣僚たちが、そろって洗濯したばかりの防災服を着て、対策を協議している姿は、被災達の目にどのように映っているのだろうか?閣僚たちが、寒い避難場所で、身をこごめて毎日を過ごしている人たちに寄り添う気持ちを持っているならば、洗濯して「熨しのついた」防災服で、会議することもないだろう。背広で実

伴う政策を迅速に実施していく方が、余程被災者に寄り添っていると言えるだろう。

 

国会内で与野党の党首が協議する場まで、ほとんどの政治指導者が防災服で身を固めている姿は、醜悪に見える。そんなところに税金を使うより、救援物資の内容を充実させて欲しい。些細なことだが、政治家の真の姿が、そこに浮き彫りされているように思えて仕方がない。温かい気持ちを表して欲しい。(了)