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                                             沖縄全戦没者追悼式に寄せて

 

2022年6月23日沖縄県主催の全戦没者追悼式が行われました。私はその模様をテレビや新聞報道でフォローしました。例年以上に、慰霊の気持ちに包まれた式典でした。静かに「御霊安かれ」と沖縄戦の犠牲になられた方々に祈った方々が多かったことでしょう。

 

今回の平和宣言は、初めて県民から意見を募集し、県庁内で議論した上で、取りまとめたそうです。玉城デニー知事は平和宣言で「辺野古新基地」反対に言及しましたが、感情的な内容を含むものではありませんでした。また、小学校2年生の自作「平和の詩」の朗読は、私の胸にすとんと落ちてきました。

 

岸田文雄総理大臣は、あいさつの中で「基地負担軽減の目に見える成果を一つ一つ着実に積み上げていく」と述べました。沖縄県民も本土の人たちも、これがスローガンに終わることなく、政府の取る具体的措置に反映させていくことを望んでいます。今後7月10日には参議院議員選挙、9月には沖縄県知事選挙、11月にはアメリカの中間選挙が予定されています。また、年末までには、防衛計画の大綱や日米安全保障協力について、新たな方針が示されていくと報じられています。岸田総理大臣としては、次期通常国会までには、沖縄慰霊祭のあいさつで述べたように、成果を着実に積み上げていくための具体的な指針を明らかにすべきでしょう。

 

式典前、玉城知事は、政府との対話を望む旨を岸田総理大臣に伝えたそうですが、具体的内容については、相変わらず説明しなかったようです。この知事発言も政治的なスローガンにとどまっています。

 

国政も県政も、沖縄復帰50年を迎えた今年から来春までの間に、辺野古問題を含む今後の沖縄県民意地負担軽減目標について、共通の理解に達すべきです。「スローガンの時代」を乗り越える努力が必要です。