シェリーの町、サンルーカル② ~ボデガス・ラ・シガレラ(後編)~ | ¡Viva ワイン!

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ワインを飲みながら、気になったことを書いていきたいと思います。

サクリスティア…教会にある香部屋のことなのですが、ボデガのすぐ近くにマドレ・デ・ディオスという名前の教会があります。多分、この教会と何かしらの関係があると思うのですが…。


¡Viva ワイン! サクリスティアに入るには鍵がかかっていて、ここのボデガは一般公開しているのですが、通常の見学では入らせてもらえません。ここのボデガが先祖代々大切にしてきた古いシェリーの樽を置いてある場所です。早速イグナシオがお宝のアモンティリャードを注いでくれました。


¡Viva ワイン! 彼のベネンシアは派手さはありませんが、すっきりしていてフォームがきれい。後ろに見えるのがお宝シェリーの樽です。


¡Viva ワイン! ベネンシアドール(女性なのでベネンシアドーラですが)の資格を持っているM子さん、いつもステンレスのベネンシアで注いでいるので、カーニャは使い勝手が分からないとおっしゃっていましたが…。


¡Viva ワイン! お見事!イグナシオもGOODと言っています。


¡Viva ワイン! でもね、それから又おもむろに自分で注いで見せたのは、カーニャの取り扱いをちょっと自慢したかったから…、ですよね?笑


¡Viva ワイン! こちらのボデガ、シェリーの量り売りをしています。近所の人たちが家からポリタンクを持って買いに来る。ボデガの説明をしてくれていた時にも近所のお爺さんがポリタンクを持って通り過ぎて行ったのですが、何を持っているんだとのイグナシオの問いに水だよと答えたお爺さん。命の水ですよね~


ここにも無濾過のエンラマがありました。実は無謀にも2リットル入りのポリタンクを買ってしまったのですが、後ほど出会う友人にボトル1本分プレゼントして、残りはスペインを出るまでに飲み終わってしまいました。


最後にシェリーのタイプについておさらいです。


*フィノ…フロールの下で生物学的熟成によってつくられる、クリアなシェリー。ヘレスとエル・プエルトでつくられる。辛口。


*マンサニージャ…フィノと同じくフロールの下で生物学的熟成によってつくられるクリアなシェリー。サンルーカルでつくられるフィノタイプのものをマンサニージャと呼ぶ。辛口。


*アモンティリャード…フィノ(マンサニージャ)のフロールが死滅して(又は死滅させて)途中から酸化熟成させたもの。辛口。


*オロロソ…最初のクラス分けの時からフロールをつけず、酸化熟成させたもの。辛口。


*パロ・コルタド…最初のクラス分けでオロロソをつくる予定だったものが、熟成後のテイスティングでオロロソではないと判断されたもの。辛口。


*ペドロ・ヒメネス…ペドロ・ヒメネス種のぶどうを天日干しにしてから絞ったモストを発酵させたもの。極甘口。


*モスカテル…モスカテル種のぶどうを天日干ししてから絞ったモストを発酵させたもの。甘口。


その他、アモンティリャードにペドロ・ヒメネスを加えたもの(ミディアム)や、オロロソにペドロ・ヒメネスを加えたもの(クリーム)など、実際にはいろいろなタイプがあるのですが、現在、原産地呼称委員会で名前の統一を図っているそうで、今まで使われていたネーミングの使用を禁じたりしています。まだ流動性があるので使用して良い名前が決まるのは少し時間がかかるかもしれません。


シェリーはどこでぶどうが収穫されたかではなく、どこで育ったかで味が異なります。ですので、同じ「フィノ」というタイプでも、各ボデガによって味が異なります。


最近はシェリー専門のバルも多くなりましたが、オーセンティックなバーでもシェリーを置いているお店が多くなりました。フィノの飲み比べや、いろいろなタイプのシェリーの飲み比べをさせてくれるお店も多いです。いろいろ試して、ご自分の好きなタイプを見つけるのも楽しいかもしれません。


又シェリーは、普通のワインと違って、フィノやマンサニージャで抜栓してから1週間は美味しく飲めます。アモンティリャードやオロロソに至っては抜栓後1ヶ月(もしくはそれ以上)、甘口のペドロ・ヒメネスやモスカテルは2ヶ月以上は持ちますので、いろいろなタイプをそろえて自宅で楽しむのも良いと思います。


来たる5月26日はワールド・シェリー・デイと称して、シェリーが原産地呼称に認定されてから80年目の記念日だそうで、世界中でシェリーに関するいろいろな催しがあります。是非この機会に、シェリーをご存知の方もそうでない方も、シェリーに触れてみてはいかがでしょうか。SALUD!(乾杯)


ボデガ見学のレポートは終了しましたが、サンルーカルの話はまだ続きます。次回もお付き合い下さい。