【訂正あり】シェリーの町、エル・プエルト② ~ボデガス・グティエレス・コロシア(前編)~ | ¡Viva ワイン!

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ワインを飲みながら、気になったことを書いていきたいと思います。

¡Viva ワイン! ピソでの朝食。スーパーで買ってきたオレンジジュース、苺、メロン。旅に出ると生野菜やフルーツが不足しがちなので気をつけて摂取するようにしているのですが、ピソをお借りしたおかげでこーんな贅沢も出来ました。メロン、まだ時期的に早かったですね。値段も高かったし、まだ熟れていませんでした。


¡Viva ワイン! 朝食の後は、ピソの真ん前にあるクラブ・ナウティコにネットをしに行きました。カルメンさんにお借りしたピソ、Wi-Fiが使えないんですよ。たまーにキャッチ出来る電波でつないでいたんですが、きっちりメールチェックしないと!ここのクラブ・ナウティコはエル・プエルトに着いた日にカルメンさんにお昼をご馳走になった場所なのですが、会員制のマリーナで、カルメンさんが私が来たら入らせてあげてと事務所の方に頼んでおいて下さったのです。Wi-Fiも思う存分使えるし、気持ちは良いし、カルメンさんのピソに3泊させていただいたのですが、朝はここでのコーヒーが欠かせなくなりました。


¡Viva ワイン! マリーナと書いたのですが、ここは海ではなく川です。グアダレーテ川の河口で、カディスへの船が定期的に通ります。


エル・プエルト2日目は、グティエレス・コロシア社を訪問。ヘレス留学中のM子さん、しぇりークラブのお客様のOご夫妻、ヘレスの方と結婚してこちらにお住まいのK子さんも合流して皆さんでおじゃましました。このボデガも何度も来ています。以前に書いた訪問記はこちら(矢印 )。


¡Viva ワイン! グティエレス・コロシアのボデガの前にはアベニーダ・バハマルという通りがあって、普通アベニーダ(フランス語でアヴェニューのこと)というのは幅の広い大通りを指すことが多いのですが、ここのアベニーダは一方通行の狭い道です。かろうじて2車線。アベニーダを挟んで街の駐車場があって、グアダレーテ川になります。


¡Viva ワイン! 駐車場があるんですが、みんな路上駐車で駐車場はがらがらでした。壁に1838の数字がありますが創業年です。


¡Viva ワイン! この日、私たちに説明をしてくれたのは、お嬢さんの方のカルメンさんです。本当に美しい方で、クラブナウティコで食事してからボデガに戻るまでの間に、何人の男性が振り返って彼女を見ていたことか!


¡Viva ワイン! 皆さん、ヘレスのボデガ、レイ・フェルナンド・デ・カスティージャの床を覚えていらっしゃいますか?アルベロと呼ばれる闘牛場にも敷かれている砂がありましたよね?ヘレスは内陸なので寒暖の差が激しい為、気温が高くなるのですが、エル・プエルトは海が近く、川の河口に位置しているため夏はしのぎやすく冬も温暖です。ですので、アルベロに水を撒いて気温や湿度を調節する必要がありません。


¡Viva ワイン! フロールの厚さもヘレスのボデガで見たものより厚いです。このフロール、生き物なので、人間と同じように快適な季節には成長して厚くなります。夏や冬は成長が活発でなくなり薄くなります。


¡Viva ワイン! モーロ風のアーチがとても美しいです。こちらのボデガは、オーナーのファン・カルロスさん(スペイン国王と同じ名前ですね)、奥様のカルメンさん、お嬢さんのカルメンさん、従業員3人と6人で維持しておられます。毎日、大勢の見学者があり(私たちが訪れた日も夕方から30名近く、次の日もアメリカ人の団体90名の予約が入っていると言っていました)、それをこなすだけでも大変とのこと。


¡Viva ワイン! こちらのボデガはオールドのパロ・コルダトを持っていて、もう、これを飲むことを考えるだけで幸せになれるほどなのですが、パロ・コルタドについてご説明します。その前にアモンティリャードというシェリーのタイプについてご説明しないといけません。


皆さん、覚えておいでですか?シェリーには大きく分けて3つの種類があって、フロールの下で空気に触れずに生物学的に熟成していくフィノ(マンサニージャ)、アルコール度数を17度まで高めてフロールを付けずに空気に触れさせて酸化熟成させるオロロソ、収穫したブドウを天日干ししてから絞ったものを熟成させたペドロ・ヒメネスやモスカテルの甘口タイプ。


実はこの他にもタイプがあるのですが、フィノについていたフロールが死滅し(又は死滅させて)生物学的熟成から酸化熟成になったものをアモンティリャードと呼びます。色はオロロソと似ているのですが、酸味もありオロロソより繊細な感じです。


【訂正】

大変申し訳ございません。1年以上経過してからの訂正です。


この他にパロ・コルタドというタイプが存在します。ボデガの方は、パロ・コルタドはアクシデント(事故)のようなものだと表現されるのですが、上の画像の一番下に「矢印こーんな記号のようなものが書いてあるのがお分かりになりますでしょうか?実は、これがパロ・コルタドを表しているんです。

その年に収穫されたブドウから、ソレラの一番上の樽に補充する若いワインを作る際にクラス分けをするという話をしたのを覚えていらっしゃいますか?そうです!香りがクリーンで色が淡く軽やかなワインはフィノ用に、香りがしっかりしていてボディーがあり色も濃いワインはオロロソ用にというくだりです。


カパタスと呼ばれるテイスターは、フィノの樽には「.」を(書かない場合もあります)、オロロソの樽には「」を書き入れるのですが、【訂正です:フィノの樽には「/」を、オロロソの樽には「.」の間違いです】熟成をさせている途中で試飲をした際に、あれ?何かおかしい、オロロソとは違う感じがする…。 【訂正です:ソブレタブラのフィノの試飲をした際に、あれ?何かおかしい、フィノとは違う感じがする…】ということで、「」を切るように横線を入れたものが「になります。パロ・コルタドとはスペイン語で切られた棒。つまり、オロロソを作るつもりが違ってしまった。【訂正です:つまり、フィノを作るつもりが、もしかしたらパロ・コルタドになる可能性があると思われて酸化熟成に転換されたものになります。】最初のクラス分けの時に、本来はフィノとしてフロールをつけて生物学的熟成をされるはずのものが酸化熟成されてしまったということなのです。【訂正です:最初のクラス分けn時に、フィノとしてフロールをつけて生物学的熟成をさせていた段階で、パロ・コルタドになり得る特徴が見られた為、酸化熟成に転向されたものになります。】


パロ・コルタドは、オロロソのボディーにアモンティリャードの酸味や繊細さを兼ね備えるという珍しいタイプ。現在は人工的につくる研究もされているそうですが、本来は偶発的に出来たもの。現代でも貴重なものであることは間違いありません。


¡Viva ワイン!
こちらがグティエレス・コロシア社のソレラ・ファミリアル・パロ・コルタド。平均熟成50年以上のオールドです。このエチケットにとても素晴らしいことが書いてあるのですが、少々長くなりますがお付き合い下さい。


“Este es un Jerez Viejísimo que yo recuerdo en la Bodega desde que era muy niño y que mi abuelo D. José Gutiérrez Dosal cuidó con mucho esmero. Es un "vino de meditación" que recomiendo tomar en algún momento especial, después de un buen día, o para finalizar una buena comida." Juan Carlos Gutiérrez Colosía


「これは非常に古いシェリーで、私がとても小さな頃から祖父ホセ・グティエレス・ドサルが特別な愛情を注いで作っていたのを覚えています。これは『瞑想のシェリー』です。この上もなく素晴らしいひとときに、素敵な一日の終わりに、又、とても美味しい食事の後にお飲みになることをおすすめします」 ファン・カルロス・グティエレス・コロシア(オーナー)


次回に続きます。