さて、スペイン2日目は、楽しみにしていたワイナリー訪問です。
場所は、サラゴサの町から北東に100kmくらい入った辺り。朝、8時半にサラゴサのホテルまでワイナリーの方に迎えに来ていただき、彼の車で先導していただいたのでTomTom(GPS)は使わず、道にも迷うことなく快適に進みました。途中細い山道もあり、結構スリリングでした。
こちらのワイナリー、バルデサベナ・ボデガス(bal D'Isabena Bodegas)という名前です。何だかスペイン語ではなくカタラン語みたいなスペルだなと思って聞いてみると、アラゴンの言葉だそうです。これだから、おらが村自慢になるんだよね~、スペインって。balはスペイン語で言うところのvalle(谷、英語ではvallyです)なので、訳すと「イサベナ渓谷」という名前のワイナリーになります。文字通りピレネー山脈の麓の渓谷にあるワイナリーです。
アルタミラで輸入しているワイン、コホン・デ・ガトの生産者なのですが、まず、このコホン・デ・ガトというのは、ぶどうの品種名なんです。ガトは猫(雄猫)、コホンは去勢していない雄猫に2つついているものです。でも単数形。日本語にすると、猫のタマちゃん(笑)。サザエさんのところでも飼われていますよね。
ワイナリーの代表はまだ30代前半の若いエンリケ君です。大学でワインの醸造も学び、エノロゴ(醸造家)の肩書も持っています。彼のお父様がいくつかワイナリーを持っておられて、その中のひとつを彼が任されているとか。こちらはワインが貯蔵してあるステンレスタンク。コホン・デ・ガトは樽熟成もさせているので、ステンレスから樽に移して熟成、そしてボトリングをします。
こちらは取ってきたぶどうを洗う機械(だったと思います。すみません、既に記憶が定かでなくなっております)。ワインは、ぶどうの重さで自然に潰して発酵させるマセラシオン・カルボニカ方式(ボジョレ・ヌーボーなどもこの方式で作ります)で作っていると言っていましたので、破砕機ではないと思うのですが…。それとも、白ワインも作っているので、白ブドウの枝を取ったりする為の機械なのかなぁ…。
熟成用の小樽。こちらにあるのは空のだそうで、現在樽熟はお父様所有のワイナリーで行っているとのことでした。フレンチとアメリカンオーク使用。
こちらはボトリングマシーン。365日使うものではないけれどやはり必要なもの。インスタレーションにはやっぱりお金がかかりますね。
右がワイナリーの代表のエンリケ君、中央がマーケティングを専門にやっているペペ。決して私が小さい訳ではありません。エンリケは身長が2mくらいあります。学生時代はバスケットをやっていたそうです。ペペも180cmくらいあるんですよ、それでもこの差!
試飲はワイナリーにある事務所で。コホン・デ・ガトの他、その下のランクでもなかなか良いのがありました。上の写真は顔をくるり君にしたけれど、面倒くさくなったので素のままでいきます。
気に入ったのはこちら、シャルドネ100%の白。イシェイアです。ソモンターノという原産地呼称の地区はリオハなどに比べると比較的新しいもので、DO認定されているぶどう品種も他のDOと比べて種類が多いです。ですので、品種のデパートと呼ばれています。DO認定されたワイナリーも少なく、ペペの話では33のワイナリーしかDO認定されていないそうです。
コホン・デ・ガトの白は、ゲヴィルツ・トラミネールというドイツで多く作られる品種を使っているのですが、このイシェイアはシャルドネ。普通、スペインの白というと、ビウラ(マカベオ)、ベルデホ、アルバリーニョが主流になるのですが、ゲヴィルツもシャルドネも面白い。
イシェイアの赤、白、ロゼ、そして、イサベナという名前のワイン(赤)。どれも良かったです。
そして今通関中のコホン・デ・ガトの2010の試飲もさせてもらいました。引き取りが楽しみです。
こちらのラモリステルという名前のワイン、2ヶ月前にDO認定されたばかりだそうです。モリステルという地ブドウを使ってつくったワイン(赤)で、ソモンターノの場所が分かるようにと、ピレネー山脈の写真をエチケットに使ってみたそうです。このモリステル、何のワインに近いかというと全く似たものはありません。とっても特殊で面白い。
ワイナリーで試飲の後は、各品種のブドウ畑を見せていただきました。次回に続きます。