大使館と領事館の違いは? | HENRY@GLOBALISTA いつも心は旅の空!! 

大使館と領事館の違いは?

大使館、総領事館、領事館の違いはなんですか?

と質問を頂いたので私の知るかぎりの事を記事にしてみましたので参考になれば幸いです。

在外公館には色々な種類があります。

まず、外交のための施設かどうかで分かれます。

大使館と公使館は、外交使節が外交のために使う施設です。

いわゆる治外法権とか、外交官特権が適用されます。

総領事館、領事館というのは、相手国の国内に居る邦人の保護や通商関係の援助、査証(ビザ)の発行(これらを領事事務といいます)のための事務所で、これは外交のためでなくあくまでも領事事務の為の機関です。

大使館、公使館については、外交使節団の長が「特命全権大使」であるとき、その使節団が公務を行う場所を大使館といい、その長が特命全権公使の場合は公使館といいます。

我が国と相手国が外交関係を結ぶと、外交使節団を派遣し合います(必ずしも相手国の国内でなく、近隣国に派遣した使節に兼務させることもあります)。

慣習上、また「外交関係に関するウィーン条約」(昭39条14)などの条約により、使節団の長にはランクがあり、最上級が特命全権大使(略して大使)、特命全権公使(公使)、代理公使となります(実務上、大使には臨時代理大使、代理大使というものもあります)。

大使は相手国の元首に対して、公使は外務大臣に対して派遣されるものとなっています。

当然、大使の方が公使より上席です。

昔は殆どの国がお互いに公使を派遣し、大使はごく重要な国だけに派遣されていましたが、今は外国に派遣される外交官の最上位は大使で、公使はその補佐という役割です。

なお、「全権大使」とあるのは正しくは特命全権大使といい、派遣される外国との関係で、その国を代表する資格を政府から委任されたことを証明する信任状を持つ大使です(同様に、特命全権公使もあります)。

現在、日本の外交使節で、公使が長となっているのはありません。

つまり、今は公使館は存在しません。

大使、公使の下の階級は、参事官、1等~3等書記官、書記官補などとなります。

領事館、総領事館は、領事官の事務所のことで、総領事の事務所なら総領事館、領事の事務所は領事館です。

領事には4階級あり、総領事、領事、副領事、代理領事に分かれます。

ですから、副領事が長である領事館は副領事館といいます。

代理領事のときは代理領事事務所ということになっています。

総領事館に総領事は1人ですが、領事は何人いてもかまいません。

領事官は、外交使節がいないときには、我が国と相手国の合意があれば、外交使節としての活動をおこなうこともあります。

領事官には、外交官に似た特権を認める慣習ですが、外交官よりも制限されたものになります。

これらは「領事関係に関するウィーン条約」(昭58条14)で規律されます。

特に外交官と違うのは、身体不可侵権で、外交官は刑事事件については我が国の同意がなければ相手国の訴追権が及びませんが、領事官は、「敬意をもって処遇」される権利がありますが、訴追を当然には免れることがありません。

「名誉(総)領事」
は、たいていは相手国の国民で、我が国に対して功績のあるものに与えられる名誉称号。

実際に領事官として領事事務を行うことはできない(領事官は我が国の国籍を有することが原則)。

ただし相手国が同意した場合は同意した範囲の領事事務を行うこともあります。

日本の在外公館と言えば、外務省に所属し、世界各地に存在する、大使館、公使館、総領事館、領事館、政府代表部、日本政府在外事務所の総称を言います。

但し、現在公使館は全て大使館に、領事館は全て総領事館に格上げされているため、存在しません。

なお、在外公館の支部として出張駐在官事務所が設置されており、一部は「領事事務所」と名乗っているが、法令上の正式名称ではなく在外公館ではない。

日本の在外公館は、外交を行う上での重要な拠点であり、世界各地に189か所存在する。

そのうち16か所はアメリカ合衆国内にある(加えて2か所の出張駐在官事務所もある)。

また、大使館の中に、通常の領事館と同じ業務を行う、領事部というものが設けられています。

尚、戦前まであった『駐在武官』は、現在、自衛隊から派遣される『防衛駐在官』という制度に変わっています。

他に、『在外公館警備対策官』という役職もあります。

任用されるのは主に自衛官、警察官、海上保安官、入国警備官、公安調査官又は民間警備会社職員で、外務省へ出向して任命されます。

任務は名称通り在外公館の警備対策ですが、実際の警備は現地の民間警備員等に委託し警備対策官は企画立案を行っている場合が多い。

また、民間の警備会社(ほとんどが綜合警備保障)から外務省へ出向して警備対策官になるものもいます。

警備対策官は、通常、職階に応じて「在外公館警備対策官」という外務職員が公に用いる名称の他に、「二等書記官」「三等理事官」「副領事」等の公の名称を併せて用います。


●まとめ

我々が海外旅行で、事件や事故に巻き込まれた時にお世話になるのが、領事館、領事です。

外国に於いて、パスポート(旅券)、渡航書等を発行して貰うのも、領事館または、大使館領事部です。

バンコク等、日本人が多い所では、24時間の緊急連絡先も用意されています。

海外渡航する場合は、外務省、在外公館及び、在日公館のWEBサイトを閲覧して確認すれ事をお勧め致します。