しずよ先生は糖尿病犬の先生です | アルマ動物病院/アルマ動物病院 糖尿病・内分泌病センター

しず先生有り難うございました。

2008年8月16日帝王切開で取り上げたシズヨさんは2番目に大きな女の子で、生まれたばかりの時に1番目を和田アキ子さんの“アッコ”、2番目を南海キャンディーズの”しずよ”としていましたが、そのまま”しずよ”、“しず”となりました。

よく食べて無邪気に遊びスクスクと大きくなり、毎日抱っこして病院一緒に通勤していました。

まだあまり散歩に出ていなかった頃にしずを連れて旅行に行ったとき。気がつくと部屋にいなくなっていました。大慌てで皆で探すと外の庭を楽しそうに歩き回っていて、

”もう散歩できるよ”

とアピールしているようでした。

 

若い頃のしずはM.シュナウザーらしく散歩中に売られたケンカは100%買いました。訪問者にもケンカを売りまりでした。それを見習ってほかの子達もみんな吠えるようになってしまいましたが、振盪した頃に当のシズは吠えることを止めて

“なんで吠えてるの“

というような顔をしていました。

 

気がつくと6匹の長女となっていましたが、他の子達には威張ることもケンカを売ることもなく、我関せずというように少し離れたところから見ているようでした。

 

晩年腰が悪くなり、歩くことがままならなくなり、食事量は徐々に低下していったものの食欲は落ちることなく、しっかりと食べてくれていました。ただ、トッピングはバラエティ豊かにはなってはいました。

 

 

シズはいろいろなことを教えてくれました。

2019年8月 甲状腺機能低下症のためホルモン剤投与スタート 

  この頃はまさに“しずちゃん”全開のダイナマイトボディーでした。

同年11月には調子を崩してしまいいろいろと検査をしましたが診断はなんと

  肝硬変。動物では珍しい疾患でした。

血液の蛋白も低下してしまうくらいでした。いろいろと薬を試しましたが良くならず、再生医療である脂肪幹細胞の培養液を、定期的に投与してからは徐々に状態が上向いてきてくれました。継続して治療を行いましたが、数年かかって超音波検査でも硬変化は見られなくなるまでに回復しました。

2021年5月12歳になってなんだか飲水量と尿量が増えてきたようで、シズの姉妹の“アッコ”(迎えられてからは名前が変わりました。)が糖尿病となっていたため。まさかと思いましたが、検査により。

  糖尿病。専門医の家の子が・・・・何という忖度。そして遅い発病。

血縁が糖尿病になるのは過去にも1例あり2症例目でしたが、犬はなかなか家系を追うことができないので、やはり遺伝的素因があるのだと再認識しました。

糖尿病犬の飼い主となり、食事のケアからインスリンの投与などなど今まで飼い主さんに教えていたことを実践することになりました。

おそらく自分の犬、猫が糖尿病を発症して日常の治療をした糖尿病専門医は、世界中でもいないだろうと思います。実際にやってみるとちょっとした小さなことからいろいろと気づくことが多く、本当にたくさんのことを学ぶことができ、貴重な体験となりました。

 

糖尿病治療にはなくてはならないアイテムに連続血糖測定器のフリースタイルリブレがあります。その装着の場所や方法、観察の仕方までを体験することができました。

 

 

インスリン製剤もいろいろと試させて貰いました。最終的にはノボリン30ミックスとレベミルの強化インスリン療法(正確には使用しているインスリンは2剤ではなく、30ミックスが2剤の混合型なの3剤ということになります。) がとても効果的となり、1日中正常血糖範囲を推移するようになりました。専門医の家の子としては誇らしいもので、糖尿病初診の飼い主さんにも、

”うちのこの血糖推移です。これを目指します。”

とちょっと自慢げに見せることができました。

昨年にはヒト用のインスリン製剤で最新の超持効型となるアウイクリが発売されました。

パイロットスタディーでは犬にも投与しているようでしたが、詳細な記述はありませんでした。

早速、しず先生にレベミルの代わりとして使用しました。最初は半量くらいからスタートして、大丈夫なことを確認しながら増量していきました。このインスリンは”アウイクリ“という名前の通りヒトでは1週間効果を示すというものです。徐々に投与量を上げていったところ規定量でしっかりと効果を示してくれました。しかも1週間しっかりと効果を持続していました。

 

16歳になった頃から腰が立たなくなってしまい段差も転んでしまうようになりました。

ケガの心配もあってサークルを用意し、排泄もままならなくなってきたので、おむつ+術後衣の生活となり、介護生活がスタートしました。

ご飯も食べて血糖コントロールも良かったのですが、徐々に体重が落ちてきていました。

そして大人しかったシズも夜中に鳴くようになり、みんなで一緒に寝るようなりました。

この介護生活もいろいろと学ぶことがありましたが、それはしまっておきます。

 

シズ先生は本当にいろいろなことを教えてくれました。

そしてもっといっしょにすごしたかったですが、2026年1月10日

17年4ヶ月25日目に静かに息をすることを止めました。

 

たくさんのみなさまに気にかけていただき、

あたたかいことばもいっぱいいただきました。

本当にありがとうございました。