アメリカ同時多発テロから10年。そして東日本大震災から半年。


ビルに突っ込む二機目の飛行機、崩壊するツインタワー、つぎつぎと押し寄せる大津波。

テレビの中継を通して見た映像は、恐ろしく生々しくインパクトがあると同時に、どこか現実離れした感覚もあり、

何ともいえない強烈にねじれた印象として、記憶に重く焼きついている。


同じように感じた人は、世界中にたくさんいるのではないだろうか。


考えてみれば、世界の出来事を、テレビ中継を通してリアルタイムで多くの人が目撃するようになったのは、

私の世代ぐらいからではないかと思う。生中継が一般化してきたのは、私が子どもの頃、ベトナム戦争を

テレビで見たあたりからだから……。


その場にいないのに、その時起こっていることがまざまざと見える、ライブ映像。

人類はこれまでにないまったく新しい形で、現実を経験するようになったのだ、と思う。

それが時に非現実的に感じられるのは、私たちがまだ慣れていないせいかもしれない。


映像は進化してどんどん高品質になり3Dになり、映像体験もどんどんリアルになっていく。

それにつれて、人が世界を見るときの感覚や記憶のしかたも、きっと大きく変化するに違いない。

私たちの「現実感」は、これからいったい、どんな風に変わっていくのだろう?